防犯・監視だけでなく、新たな活用も
ネットワークカメラとNVR活用のポイントを利用シーン別に解説!

防犯や監視目的で使用されるカメラが進化しているのをご存知でしょうか。「ネットワークカメラ(IPカメラ)」といって、カメラ本体にコンピュータが搭載され、ネットワークに接続することができます。このカメラ専用の録画装置を「NVR(ネットワークビデオレコーダー)」といい、これらを利用して防犯・監視カメラとして使用するだけでなく、さまざまな場面での有効活用が注目されています。今回は、ネットワークカメラとNVRの活用法とポイントをご紹介します。

今回のケース

防犯や監視の目的でNVRの活用が有効だと聞いたことがある。具体的にどのようなシーンで活用ができるのだろうか?自社で活用できるかを検討したい。

( 1 ) 防犯カメラの進化を加速する「NVR」とは

これまで、防犯カメラにはアナログカメラが使用されており、カメラ本体のそばに録画装置を配置し、専用モニターで映像の確認をしていました。撮影した映像を録画する際、デジタルに変換すると画質が悪くなり、録画テープや機器の交換などの手間やコストもかかっていました。特に、24時間365日フル稼働する防犯カメラ映像を録画するには、パソコンやサーバでは機能やコストの面で課題がありましたが、NVRによってそれらのデメリットを解消することが可能となったのです。
NVRの主な特徴を以下に挙げてみましょう。

  • ネットワーク経由で遠隔地での録画・モニタリングが可能
  • 映像が劣化しないため高画質を維持できる
  • 長時間録画を前提としているため大量のデータが保存できる
  • ハードディスクやソフトなどを備えているためコストを抑えられる

このほか、カメラとは別の場所に設置するため、災害や事故などでカメラ本体が破損しても録画データは守られるというメリットもあります。

( 2 ) さまざまな分野に広がるネットワークカメラとNVR活用

NVRによって防犯・監視カメラの市場は拡大し、利用範囲や活用シーンも変化や拡大を見せています。これまで一般的だった金融機関やATM、スーパーやコンビニ、駐車場といった場所の防犯に加え、マーケティングや安全管理の分野への活用が始まっています。

  • 行動分析やマーケティングへの活用
  • 展示物の器物破損を防止する管理体制の強化
  • 食品加工時の異物混入防止や温度管理
  • 危険なエリアへの立ち入り防止対策

オフィスや小売店だけでなく、工場や病院、ホテルや旅館など、あらゆる業種で導入の検討が進んでおり、今後の活用への期待が高まっています。

( 3 ) シーン別にみるネットワークカメラとNVRの活用例

ここで4つのシーンにおける具体的な活用例を紹介します。

【シーン1】小売店・スーパーの場合

商品が多く、店内の死角ができやすい小売店やスーパーなどは、すでにカメラによる対策を導入している店舗が多く見られます。犯罪リスクの低減に加え、最近ではマーケティングへの活用に期待が高まっています。

万引き・内引き対策

  • 複数カメラによる全体監視
  • 出入口の撮影による顔認証
  • レジ手元周辺の高画質録画
  • 倉庫への搬入や品出しの記録

小売店やスーパーにとって万引きは死活問題となる課題です。また、従業員が商品や売上金を着服する内引き発覚が難しく、対策が急務となっています。店内の死角まで監視を行い、顔認証によって窃盗常習犯を特定できます。また、従業員の行動を監視することにより、内引き抑制の効果も期待できます。

マーケティング活用

  • 客数カウントによる混雑時間の計測
  • 陳列レイアウト変更の効果測定

カメラを使用した顧客の行動分析により、経験や勘だけに頼らない売り場づくりが注目されています。混雑緩和やレジ係の増員アラートに加え、行動分析によって顧客ニーズを把握し、売り場改善やより良い店舗づくりなどに役立てることができます。

ますます広がるネットワークカメラシステム

【シーン2】クリニックの場合

不特定多数の人が出入りするクリニックには、窃盗犯がまぎれ込みやすいリスクがあります。人々の健康を守るという地域の信頼を損なうことのないよう、防犯体制の強化が求められます。

病室を狙った防犯対策

  • 複数カメラによる行動記録
  • 録画による不審者の行動検知

入院患者や見舞客を装って病室に入り込み、金品を盗む事例が多発しています。複数のカメラを設置し、録画していることを周知することにより盗難の発生を防止するほか、施設内の不審者の行動を検知し、万一のトラブルに備えます。

職場を狙った防犯対策

  • 業務中の不審な行動を検知
  • 監視対象エリア内のうろつきを検知

患者の個人情報が入ったパソコンや薬品などが盗まれ、悪用されるケースも増えています。不審な行動やあらかじめ設定した対象エリアの状況変化を検知し、病院内の機器や医薬品の盗難抑制を図ります。

【シーン3】ホテル・旅館の場合

国内外を問わず多くの観光客が訪れるホテルや旅館では、宿泊客とのトラブルが発生することも少なくありません。防犯はもちろん、トラブル回避やサービス向上という観点でも、監視体制の強化が必要となっています。

展示品の器物破損・盗難対策

  • 犯人の人物像や行動の録画
  • 録画による従業員の行動記録

施設内の展示品や物品の持ち去り、破損などの被害が相次いでおり、監視体制の構築が急務となっています。展示品や調度品の損壊や持ち去りを録画によって確認し、犯人を特定します。従業員による盗難を防止するためのモラルチェックにも有効です。

【シーン4】食品工場の場合

2020年、日本でもHACCP(※1)が完全義務化し、食品の安全衛生への関心がより一層高まってきています。食の安全・安心を確保するフードディフェンスの徹底が必要です。

異物混入や温度管理対策

  • 複数カメラによる工程全体の録画
  • 特定条件下でのスナップショット撮影
  • 倉庫内や機器周辺の温度管理・検出
  • 洗浄消毒の使用検出

保健所には年間を通して異物混入の苦情や相談が寄せられています。また、食中毒による被害を防ぐため、生鮮品の温度管理や衛生管理も重要な課題です。食品の加工や検品工程など、人の目が届きにくい部分を監視し、異物混入を防止します。さらに温度変化や戦場消毒の実施を監視し、衛生状態を保つことにより、食の安全・安心を確保します。

※1 HACCP:食品等事業者自らが食中毒菌汚染や異物混入等の危害要因(ハザード)を把握した上で、原材料の入荷から製品の出荷に至る全工程の中で、それらの危害要因を除去又は低減させるために特に重要な工程を管理し、製品の安全性を確保しようとする衛生管理の手法。

( 4 ) 「安心・安全」をサポートするネットワークカメラシステム

ここまで紹介したように、ネットワークカメラおよびNVRの活用範囲は多岐にわたります。サクサでは、「ネットワークカメラシステム」により、さまざまな企業の「安心・安全」をサポートしています。

ネットワークカメラシステムの特長

さまざまなシーンに対応する機能を備え、ご要望に合わせたカスタマイズが可能です。

  • 直感的で洗練されたユーザーインターフェース
  • モニター直結対応(ローカルディスプレイ対応)
  • 安全性の高い堅牢な監視システム
  • 4K解像度に対応した超高精細な映像監視を実現

また、エリア内での滞在時間の長さや、指定した場所から物が移動した際にアラートを作動させたり、侵入者を自動検知したりといった周辺施設のセキュリティを強化する機能もあります。

( 5 ) まとめ

ネットワークカメラやNVRの活用は今後さらに広がっていくことが予想されます。コストを抑え、さまざまな用途に活用できるネットワークカメラシステムは、防犯だけでなく、従業員や顧客の安全確保、信頼性向上などを図ることも可能です。
サクサでは、企業や現場のニーズに合わせたネットワークカメラシステムをご提案させていただきます。ぜひお気軽にお問い合わせください。

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