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同僚同士、上司と部下、部署間、社内にはさまざまな人間関係があります。こうした社内コミュニケーションを活発にすることは、企業がビジネスを進めていくうえで欠かせないことですが、「個々人に任せている」という経営層の方も多いのではないでしょうか。テレワークやハイブリッドワークが定着している現在、社内コミュニケーションは「雰囲気づくり」ではなく、生産性・定着率・意思決定の速さを左右する経営課題になっています。本記事では、社内コミュニケーションが停滞しやすいポイントをデータで整理したうえで、中堅・中小企業でも無理なく始められる改善策(制度・環境・ツール)と、ツール導入時に欠かせないセキュリティの要点をまとめて解説します。
この記事で得られること
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社内コミュニケーションに関する具体的な課題がわかる
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中堅・中小企業でも実行しやすい改善策(制度・環境・ツールなど)が理解できる
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ツール導入時に押さえるべきセキュリティ要点を把握できる
目次
( 1 ) 社内コミュニケーションの重要性とは
社内コミュニケーションとは
社内コミュニケーションとは、企業内で行われる情報共有や意思疎通の総称です。単なる業務連絡だけでなく、経営層から現場社員まで、あらゆる階層・部署間での対話や情報交換を指します。2025年のHR総研の調査では、63%の企業が社内コミュニケーションに課題を感じていると回答しています。
出典:HR総研 社内コミュニケーションに関するアンケート2025 結果報告テレワークやハイブリッドワークが一般化した現代において、職場でのコミュニケーション不足は生産性低下や離職率上昇に直結する重要な経営課題です。社内コミュニケーションの改善は、もはや「個々人に任せる」だけでは解決できません。
社内コミュニケーションの種類
社内コミュニケーションには、公式なものと非公式なものがあります。公式なコミュニケーションとは、会議での報告、業務指示メール、プロジェクトの進捗共有など、業務に直結する情報伝達です。一方、非公式なコミュニケーションとは、休憩時間の雑談、ランチでの会話、廊下での立ち話など、業務外での自然な交流を指します。とくに非公式なやりとりは、相談のしやすさや信頼形成に影響し、業務のスピードにも差が出やすくなります。しかし、テレワーク環境では、対面時に自然発生していた非公式コミュニケーションが消えやすく、相談遅れや手戻りの要因になりがちです。
なぜ今、社内コミュニケーションの重要性が高まっているのか?
社内コミュニケーションの重要性が高まる背景には、「サービス・プロフィット・チェーン(SPC)」という経営理論があります。SPCは企業が社員の満足度を上げることで、サービスの品質が向上し、結果的に顧客の満足度も向上する、そして企業の収益向上につながっていく、という概念です。特に中小企業では、一人ひとりの役割が広く、部門間や経営層との連携が滞ると、業務全体に影響が及びやすくなります。そのため、社内コミュニケーションは単なる雰囲気づくりではなく、生産性・定着率・意思決定の速さを左右する経営課題として捉え直されているのです。SPCは提唱から時間は経っていますが、働き方が変化した現在においても、企業成長の起点が社員の満足度にあるという本質は変わっていません。
そして、この概念の起点となるのが、良好な社内コミュニケーションです。具体的には以下のような効果が期待できます。
【情報共有の活発化と生産性の向上】
円滑な社内コミュニケーションは、風通しのよい企業風土をもたらします。情報共有や情報交換がスムーズに行われ、チームワークもよくなります。
良好なチームワークは、仕事の生産性向上に関係してきます。みんなが積極的に業務にかかわろうとするムードの中、役割を分担し、お互いの進捗状況を確認し合い、あるいは協力し合いながら仕事を進めていきます。
最近では、部署の垣根を超えて横断的にプロジェクトチームが編成されることも多くなっています。社内コミュニケーションが活性化することで、他部署への理解も進みます。気軽に相談しやすい雰囲気があれば、何げない雑談から思いがけないアイデアや、新しいビジネスの芽がいろいろなところで生まれる可能性があります。
【ストレスの軽減と定着率の向上】
お互いに意見を言いやすい環境があると、社員のストレスも軽減されます。「こんなことで相手の時間を取っていいのだろうか」などという心理的な抵抗があると、良好な意思疎通はできません。忌憚なく意見交換ができる環境は、同僚同士だけでなく、先輩・後輩、上司・部下など、上下の関係にも必要です。上司にとっても、部下の不満や社内の問題点をいち早くキャッチすることができます。
ストレスが軽減されることによって、社員の定着率の向上にもつながります。「経営層(社長など)のやり方が嫌だ」「同期とうまくいかない」といった人間関係への不満は、離職の最も大きな原因です。
悩みがあったとしても、誰かに相談できる環境があれば、簡単に辞めようとは考えないはずです。
【顧客満足度の向上と企業収益の向上】
例えば、営業と企画開発などの異なる部門がスムーズに連携することで、顧客が何を求めているかといったニーズが、商品やサービスの開発に生かされ、その結果、顧客の満足度向上へとつながっていくでしょう。逆に、社内や部門間のコミュニケーションがうまくいかないと、連絡が不十分で細かなミスも起こりやすくなり、それが積み重なれば、顧客の満足度も当然下がっていきます。
顧客満足度が向上すれば、会社の信頼度も上がり、収益が向上します。さらに、企業のブランド力が高まることで社員たちに強い帰属意識も生まれ、コンプライアンスの遵守や情報漏洩などのトラブル防止にもつながっていく、といった好循環が期待できます。
( 2 ) データで見る社内コミュニケーションの課題と現状
会社に限らず、何らかの組織に属していれば、「コミュニケーションがうまくいかない」と感じた経験は、誰しも少なからずあるのではないでしょうか。こうした課題を具体的に示すため、HR総研が毎年実施している「社内コミュニケーションに関するアンケート」の最新報告(2025年調査)を参照します。
その結果報告によると、「社員間のコミュニケーション不足は業務の障害になると思うか」という項目で、53%が「大いにそう思う」、33%が「ややそう思う」となっています。つまり、8割以上の企業が「社員間のコミュニケーション不足は業務の障害になる」と捉えているのです。
具体的に、どのようなことに支障を感じているか、という調査項目の上位5つを挙げると、
- 迅速な情報共有(62%)
- 目指す方向への認識の統一(52%)
- 部門間・事業所間の連携(52%)
- 部署内のチームビルディング(45%)
- 業務中の気軽な相談・質問(42%)
となっています。これらは、社内コミュニケーション不足が単なる雑談の不足にとどまらず、日常業務の遂行や意思統一、組織間連携といった生産性の中核にかかわる問題であることを示しています。
さらに、社員のパフォーマンスや心理面への影響も顕著です。過去調査では、コミュニケーション不足を感じる企業では「業務へのモチベーション維持・向上」や「エンゲージメント向上」が阻害されやすい傾向にあるとの結果が出ています。これらは、社員満足度や離職率、組織の活力とも深く関連しています。
出典:HR総研 社内コミュニケーションに関するアンケート2025 結果報告( 3 ) コミュニケーションが不足する原因と解消策
そもそも、コミュニケーション不足は何が原因で起きてしまうのでしょうか。放っておいても自然と社内コミュニケーションが活発になる状態がもちろん一番よいのですが、そうとはいえない場合には何らかの原因があるはずです。まずはその原因を探ることから始めましょう。例えば、あなたの会社はこんな状態になっていないでしょうか。
- 部門・事業所ごとの縦割り意識が強い
- 経営層と社員があまり顔を合わせることがない
- コミュニケーションを取る場所やチャンスがない
こうした状況を解消するには、どのような対策を取ればいいのか、具体的に見ていきましょう。
〈他部門・他事業所間との連携を深める〉
他部門・他事業所間でコミュニケーション不足が起きる背景には、部門ごとの縦割り意識が強く、「うちの部署さえよければいい」という意識が根付いている点や、事業所が複数ある場合、物理的な距離が心理的な壁にもなっています。
その解消策として有効なのが、以下の取り組みです。
- 月1回の部門横断ミーティングを設け、課題や進捗を共有する
- Web会議を活用し、拠点間の情報交換の場を定期的に設ける
〈社員の意見を聞くチャンスを設ける〉
特に中堅・中小企業では、経営層と社員の距離が近い一方で、「忙しさ」や「心理的な遠慮」によって、意見や課題が表に出にくいケースも少なくありません。そこで重要になるのが、意見を自然に出せる仕組みです。
- 匿名アンケートを定期的に実施し、現場の本音を可視化する
- 経営層と社員が対話できる定期面談や意見交換の場を設ける
上司にとって役立つ1on1ミーティングの手順と確認すべきポイントは以下をご確認ください。
〈ツール活用で「情報共有」と「意思決定」をスムーズにする〉
テレワークや複数拠点運営が進む中で、情報共有や進捗の把握を人の記憶や属人的なやりとりに頼るのは限界があります。そこで重要になるのが、シンプルなツールの導入・活用による見える化です。
- グループウェアでスケジュール・ファイル・連絡事項を一元管理
- チャットツールで日常的な相談・確認を迅速化
- タスク管理ツールで業務の進捗と担当を可視化
さらに、Web会議は単なる定例報告の場ではなく、意思決定とすり合わせの場として設計することが重要です。
- 短時間・高頻度で進捗と課題を共有する
- 会議の最後に必ず相談・確認の時間を設ける
- 冒頭に簡単な雑談を入れ、心理的な距離を縮める
これらのツールを活用すれば、情報共有や意思決定のスピードは大きく改善できます。ただし、ツールを増やしすぎたり、操作が複雑だったりすると、現場に定着せず、かえって業務負担や混乱を招くこともあります。特に専任のIT担当者を置きにくい中小企業では、運用負担の大きさがそのままツールの継続可否に直結します。
そのため、機能の多さよりも「誰でも迷わず使えること」「運用負担が少ないこと」を重視したツール選定が、コミュニケーション改善を継続的に成果へつなげるポイントになります。
ファイル共有の方法や共有時のセキュリティリスクなど下記資料でご確認ください。
明日からできる3つのステップ
社内コミュニケーションの改善で重要なのは、先述したツールや制度をいきなり導入することではありません。自社の課題を正しく把握し、必要な施策を段階的に積み上げることが重要です。ここでは、無理なく導入を進めるための実行ステップを3段階で解説します。
ステップ1:現状把握
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アンケート実施:
「誰とのコミュニケーションに課題を感じるか」「どんな場面で話しづらいか」を調査
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1on1面談:
管理職が部下と個別に話し、困っていることや話しにくい原因を把握
ステップ2:環境整備
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デジタルの場の創出:
「雑談チャット」チャンネルの開設、Web会議によるオンライン朝会の開始
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心理的安全性の確保:
「どんな意見も歓迎する」というメッセージを経営層から発信
ステップ3:ルール化・習慣化
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定期的な振り返り:
月1回、施策の効果を測定し、改善点を洗い出す
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成功事例の共有:
「この取り組みで○○が改善した」という事例を社内報で紹介
重要なのは「完璧を目指さない」ことです。施策は一度に変えず、優先順位をつけて試し、効果が出たものを残す進め方が現実的です。
( 4 ) 成功事例と失敗事例から学ぶ導入のポイント
では、具体的に社内コミュニケーションを成功させた事例と、反対に活性化を進める中で起きがちな失敗のケースを、いくつか見てみましょう。これらから学ぶことも多いのではないかと思います。
〈成功事例①/情報共有がミスの防止にも〉
ある会社では、これまで顧客からのクレーム情報が社内で共有できていないことが課題だったため、使っていたツールを変更しました。新たなコミュニケーションツールの導入によって、クレームが発生するとリアルタイムで情報をシェアできるようになりました。これにより、社内コミュニケーションも活発になり、情報管理もしやすくなったため、ミスの防止にもつながりました。
〈成功事例②/会社に一体感が生まれた〉
いくつか事業所を持つある会社では、多くの社員と事業所や部署間でスムーズに情報伝達することに難しさを感じていました。そこで情報共有機能を備えたコミュニケーションツールを活用し、社内掲示板や社内SNSで情報や価値観を共有することで、部署間の垣根を超えたコミュニケーションが活発になり、製品やサービスの向上につながりました。会社に一体感も生まれ、社員一人ひとりの経験や意見が会社の力になっています。
〈よく起きる失敗①/一部の社員のみが使う〉
社内コミュニケーション活性化の手段として、社内SNSが導入されていることがありますが、うまく活用されていないケースもしばしば見受けられます。多いのは、一部の社員がプライベートな話題ばかりを投稿してしまい、社内全体のコミュニケーション促進になっていないという状態です。経営層がSNSコミュニケーションに参加しないことで、重要なツールではないと社員に認識させてしまうことも問題です。
〈よく起きる失敗②/過度の仲間意識がストレスに〉
社内コミュニケーションは大切ですが、やり過ぎは逆効果になる場合もあります。強い強制力が伴えば、プレッシャーを感じてしまう社員もいるため、コミュニケーションツールの導入はあくまで手段の一つと考え、強い仲間意識がストレスにならないよう配慮も必要です。
( 5 ) コミュニケーションツール導入時は「セキュリティ」もセットで検討を
会社によってどのようなコミュニケーションツールを導入するのがよいかは、まちまちです。人数、事業所数など、規模によっても変わってくると思われます。
またテレワークの場合、自宅のパソコンやスマートフォンからも社内ネットワークにアクセスすることを念頭に置かなければなりません。つまり、セキュリティ対策もセットで考えておく必要があります。
ということは、企業のビジネスのあり方を大きく変革するDX(デジタルトランスフォーメーション)化を視野に入れた取り組みこそが重要です。
- 情報セキュリティ対策
- ワークスタイルの変革
- コミュニケーションツールの活用
この三位一体が、生産性の向上、顧客満足度の向上を実現していきます。
自社にとって何がベストか、判断するのが難しい場合は専門家に相談することをおすすめします。
( 6 ) よくある質問
Q.社内コミュニケーションは「公式」と「非公式」どちらを重視すべきですか?
A.
どちらか一方ではなく、役割の異なる2つを意図的に組み合わせることが重要です。
会議などの公式なコミュニケーションは業務の正確性や意思決定を支え、雑談などの非公式なコミュニケーションは相談のしやすさや信頼関係を生みます。特にテレワーク環境では非公式なやりとりが減りやすいため、雑談や相談が生まれる場を意識的に設けることが効果的です。
Q.社内コミュニケーション施策はどこから手を付けるべきですか?
A.
まずは自社の課題が最も顕在化している領域から着手するのがおすすめです。例えば情報共有の遅れが目立つ場合はツールの見直し、意見が出にくい場合は1on1やアンケートなど制度面の整備が効果的です。
重要なのは、自社の課題に合わせた施策を選ぶことです。
Q.社内コミュニケーションが改善すると経営面ではどのような変化が期待できますか?
A. 社内コミュニケーションの活性化によって離職率の低下に加え、意思決定のスピード向上や組織全体の一体感醸成といった経営面の効果が期待できます。結果として、顧客対応の質やサービスの一貫性が高まり、企業の信頼性や収益性の向上にもつながります。また、業務効率の改善だけでなく、社員のモチベーションの向上など心理的な効果も期待できます。
Q.社内コミュニケーションを重視しすぎると業務に支障は出ませんか?
A.
雑談や会議を増やすこと自体が目的になると、かえって生産性を下げる恐れがあります。
重要なのは「業務に必要な情報が必要なタイミングで共有される状態」をつくることです。本記事で紹介したようにまずは小さく試し、効果を見ながら調整していくことが現実的です。
Q.人手や時間に余裕がない中小企業でも本当に取り組めますか?
A. 可能です。むしろ中小企業こそ効果が出やすい分野です。
組織規模が小さい分、意思決定や改善が早く、1on1や簡単なコミュニケーションツールの見直しだけでも変化を実感しやすい傾向があります。
( 7 ) まとめ
社内コミュニケーションの活性化は、企業の成長と持続可能な発展に不可欠な取り組みです。本記事で紹介した施策の中から、自社の課題に最も適したものを一つ選び、まずは試験的に導入してみてください。社内コミュニケーションの改善に「完璧」はありません。組織も社員も常に変化するため、継続的な見直しと改善が必要です。大切なのは、小さく始めて、PDCAサイクルを回し続けることです。
私たちサクサは、こうしたコミュニケーション問題を解決し、どこにいても生産性を向上させる効果的なコミュニケーション環境を構築いたします。中堅・中小企業のさまざまな課題解決を支援する「SAXA-DXサービスプラットフォーム」により、新たなサービスを提供してまいります。ぜひ、お気軽にお問い合わせください。
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