スループット

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( 1 ) スループットとは?

スループット(Throughput)とは、コンピュータやネットワーク機器などが単位時間あたりに処理できるデータ量を表し、性能評価の指標となります。
コンピュータシステムでは、CPUやストレージ、メモリなどのハードウェアに加え、オペレーティングシステムやアプリケーションなどのソフトウェアが密接に関連しながら処理を進めています。スループットは、そのコンピュータシステムが単位時間に実行できる処理件数や、通信回線の単位時間あたりの実行伝送量を表します。

スループットとは?

( 2 ) スループットの種類

スループットは、コンピュータの処理性能や通信回線のデータ入出力の性能など、対象によって使われ方や意味が異なります。

データ処理におけるスループット

コンピュータの性能に対しては、単位時間あたりの処理能力を示します。CPUやメモリ、ストレージなど、装置の構成や性能といったさまざまな要因が複雑に影響しあっているため、単一の指標はありません。用途に応じて用意された試験用のソフトウェア(ベンチマークプログラム)で処理件数を計測し、相対値として表されます。

ネットワークにおけるスループット

通信回線や装置のデータ入出力の性能に対しては、単位時間あたりのデータ伝送量を示します。単位は、1秒あたりに伝送できるビット数(bps)、1秒あたりのバイト数(Bytes/sec)、1秒間あたり処理できるパケットの数(pps/sec)、これらに大きさを表す接頭辞を付けたMbps、MB/s、Mppsなどを用います。通信システムなどに用いる際は、制御データやオーバーヘッド(※1)分を除き、実際に相手に送られるデータ量を示す場合もあります。

※1 オーバーヘッド:コンピュータで処理を行うために必要となる付加的・間接的な処理や、機器やシステムへの負荷、余分な処理時間などを指す。

( 3 ) 理論スループットと実行スループット

実際に計測した数値ではなく、理論上の最大処理能力を「理論スループット」といい、実際に計算や通信をした際の処理能力やデータ通信量を「実行スループット」(有効スループット)といいます。理論スループットはあくまで理論上はこうなるという目安のため、実際には異なる結果が出る場合もあります。また、処理させるデータの選び方や条件などによって、実行スループットの結果は変化します。

ネットワーク機器や通信回線の導入の際には、スループットの違いについて考慮する必要があります。スループットの低い機器や回線が経路の途中にあると、システム処理や通信のスピード低下の原因となるため注意しましょう。

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