RPA

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( 1 ) RPAとは?

RPA(アールピーエー)とは「Robotic Process Automation(ロボティック・プロセス・オートメーション)」の略で、「業務プロセスの自動化」を意味します。従来人間が行っていたパソコン上の作業を、ソフトウェアロボットが代わりに自動で行います。得意とするのはドラッグ&ドロップ(※1)やコピー&ペーストのような単純・定型作業で、あらかじめ実行したい業務を登録することで、データの入力・転記、ファイルの複製などを自動的に行います。

RPAが注目される背景

近年、RPAを導入する企業が増加している背景として、まずは少子高齢化による労働人口の減少、つまり人手不足が挙げられます。RPAはそれをカバーする手段として注目されています。
また働き方改革の推進も、RPAが注目を集める理由の一つです。従業員のワーク・ライフ・バランス(※2)に配慮し、同時に高い生産性を維持するためには、ロボットによる業務プロセスの自動化が必要だと考える企業が増えています。

※1 ドラッグ&ドロップ:ドラッグ(drag)は「引きずる」、ドロップ(drop)は「落とす」の意。マウスを押しながらアイコンや選択したファイルを移動させ、別のところに置くこと。 ※2 ワーク・ライフ・バランス:仕事と生活のバランスがとれている状態を指す。仕事だけでなくプライベートの時間も充実した人生を送ること。

( 2 ) RPA導入の効果

RPAは決められたルールに基づいて処理を行います。そのため繰り返しが多かったり、時間がかかったりする、人間にとっては面倒な単純作業が得意です。顧客からの問い合わせをメールからExcelに転記する、Excelなどにある大量のデータを別のデータと突合してチェックする、売上や営業実績のデータを月ごとにレポート化するといった定型作業を代替させるのが主な活用事例となります。
RPAを導入することで得られる効果としては、以下のようなことが挙げられます。

●コスト削減

もともと人が行ってきた業務プロセスを自動化するため、人的なコスト削減につながります。また教育にかかるコストも削減できます。

●作業の精度向上

人だと集中力が切れたときなどにパフォーマンスが下がり、作業の精度が落ちてしまう恐れがあります。RPAなら決められたことを高い精度を維持したまま実行することができます。

●従業員の満足度向上

単純作業を自動化することで従業員は時間と手間をとられることなく、クリエイティブな業務に集中できます。結果、満足度が向上し、離職率低下にもつながります。

( 3 ) RPAの留意点

RPAはプログラミングの知識がなくても、簡単なものであれば構築することができると言われています。しかし、実際にはIT人材が不足している企業で「高いコストをかけて導入したものの、何をどうすればよいのかわからない」ということが起きてしまうこともあります。その場合には動画やマニュアルなどで学習したり、外部からのサポートが受けられる体制を整えたりする必要があります。

非定型業務は不得意

RPAは指示されたルールに従って定型作業を正確にこなすのは得意ですが、個別の判断が必要なこと、変更がたびたび起きることなどの非定型業務は不得意です。ただし最近ではAI(人工知能)と連携することで、非定型業務も自動化できるケースが増えています。RPA導入に際しては、まず社内の何を自動化したいのかを見極めることから始めましょう。

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