ファビコン

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( 1 ) ファビコンとは?

ファビコン(favicon)とは、「favorite icon(お気に入りのアイコン)」の略で、ブラウザのタブなどに表示される小さなアイコンのことです。
ブラウザによって異なる場合がありますが、主に以下の場所に表示されます。

  • ブラウザでWebサイトを開いた際のタブやアドレスバーの左
  • ブックマーク・お気に入り登録のページタイトルの左
  • 検索結果ページのタイトルの左
  • スマートフォンのホーム画面にショートカットを作成したアイコン

ファビコンは、複数のタブやブックマークの中から特定のサイトを容易に見つけることができるため、Webサイトを判別するうえで目印の役割も果たしています。ただし、サイズが小さいため、複雑なデザインは避け、視認性のよいシンプルなものが効果的です。

( 2 ) ファビコンが必要な背景

ファビコンは表示機会が多く、ユーザーが目にする頻度も高いため、多くのWebサイトが設定しています。未設定の場合、ブラウザやWordPress(※1)のデフォルトアイコンが表示されるなど、ユーザーに与える印象が薄くなってしまいます。
ファビコンには設定義務はなく、SEOにも直接的な影響がないとされていますが、設定することで多くのメリットが得られます。ファビコンの作成や設定に多くの工程や複雑な作業は不要なため、効果や役割を考えるとサイト運営に必要な要素といえるでしょう。

※1 WordPress:CMS(コンテンツマネジメントシステム)の一つで、プログラミングなどの専門知識がなくてもWebサイトの作成ができるソフトウェアの名称。

( 3 ) ファビコンのメリット

ファビコンを設定することによって、以下のメリットが得られます。

●Webサイトが認識されやすくなる

ファビコンは視覚効果によってサイトを認識しやすくなります。特に複数のタブを開いているときに、タイトルが表示されなくてもファビコンによってサイトを識別することが可能です。目的のサイトを見失わずに済み、結果的にサイトの離脱率低下にもつながります。

●ユーザーから信頼を得られる

ファビコンがあることで、公式サイトとしての安心感と信頼度を高めることができます。インターネット詐欺などの増加によってWebサイトへの不信感を持つユーザーが増えており、ファビコンがないと非公式なサイトと疑われる場合もあります。

●ブランディング強化につながる

ファビコンにロゴマークやイメージを組み込むことで、企業やブランドの印象を効果的に伝えることができます。認知度が上がるとクリック率が増えます。優良なコンテンツと判断されると、検索上位に表示されやすくなります。

●リピート率が向上する

ユーザーはファビコンを目印にしてブックマークやお気に入りを開くことが多いため、リピートのきっかけになります。視覚的に覚えてもらいやすいファビコンは、リピート率向上に有効です。

ファビコンに大きなデメリットはありませんが、いくつかの制約が存在します。表示されるブラウザやデバイスによって推奨サイズが異なるため、複数のサイズを作成しなければなりません。また、バージョンが古いブラウザやデバイスでは、正しく表示されない場合もあります。

( 4 ) ファビコンの作成方法

作成には既存の画像をリサイズする方法と、新たにデザインする方法があります。無料の作成ツールも多数公開されており、簡単に作成することができます。

●一般的なサイズとファイル形式

ブラウザとデバイスの多様化によって、現在では20種類以上のサイズがあるとされていますが、すべてのサイズを作成する必要はありません。通常使われている代表的なサイズは以下の通りです。

  • 16px×16 px … Internet Explorer(IE)のタブ
  • 32 px×32 px … ブックマーク・ショートカットアイコン
  • 180 px×180 px … Appleデバイス(iPhone/iPad)用
  • 256 px×256 px … Androidデバイス用
  • 512 px×512 px … WordPress

作成した画像は、複数のサイズをまとめて格納できるICO(.ico)形式によるマルチアイコンに変換し、Webサイトに設定します。異なる環境でも適切な画像に自動表示されるため、サイズごとの設定が不要です。Webツールを活用すれば、作成したデータを簡単にICO形式に変換できます。

( 5 ) ファビコンの悪用に注意

近年では、ファビコンの視覚効果や仕様などを悪用したマルウェアが確認されています。

●フィッシングサイトに使用

公式サイトのファビコンを不正に取得し、フィッシングサイトのタブに用いる手法が確認されています。本物と見分けることが難しいため、うっかりクリックすることでユーザーが被害を受けるケースがあります。

●不正なスプリクトの埋め込み

ファビコンと見せかけて、悪意のあるスクリプトを埋め込む手口です。サイトへのアクセスと同時に不正なスプリクトを埋め込んだファイルなどがダウンロードされ、マルウェアに感染したという事例もあります。

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