( 1 ) VDIとは
VDIとは「Virtual Desktop Infrastructure」の略称で、仮想デスクトップ基盤のことです。 近年の働き方改革に伴って、再注目を浴びているVDI。リモートワークなどの環境に活用し、業務効率化に役立てる企業もみられます。
VDIには、広義と狭義の意味があります。
広義のVDIは、サーバ上にOSや各種アプリケーション、データを集約し、ネットワークで接続されたクライアントPCから操作する仕組みです。デスクトップ環境はサーバ上で実行され、クライアントPC側にはデータを保存しません。そのため、高いセキュリティが求められる金融や公共機関で普及していきました。
狭義では、VDIを実現する方式のうちの一つである「VDI方式」を指します。仮想化専用のアプリケーションを、サーバにインストールして仮想デスクトップを構築し、一人のユーザーに対して一台の仮想マシン(サーバ上で仮想化されたデスクトップ環境)を割り当てます。

( 2 ) VDI導入のメリット
VDIを導入するメリットとして、以下の項目が挙げられます。
- 高水準のセキュリティ環境の実現
データセンターやサーバルームで情報が一元管理されるため、ローカル端末にはデータが残らず、漏洩などのリスクが減り高水準のセキュリティ環境が実現できます。
- デスクトップ環境を一元管理可能
サーバを分割して一人ひとりに割り当てます。端末を一つのサーバ上でまとめて管理することで、管理コストが削減できます。
- 同じデスクトップ環境が実現可能
ユーザーは異なるPCを使っても、同じデスクトップ環境にアクセスできます。サーバ側でアプリケーションを実行するため、スペックの低いPCでも快適に動作でき、リモートワークの普及を進めることができます。
( 3 ) VDIとリモートデスクトップの違い
VDIと同様の仕組みにリモートデスクトップ(RDS)があります。ユーザー毎に仮想マシンを割り当てるVDIに対して、リモートデスクトップは1台のサーバに複数のユーザーが接続し、同じデスクトップ環境を共有して使用します。そのため、VDIと比較してユーザー個別のデスクトップ環境をカスタマイズすることはできませんが、仮想化に必要なデスクトップを最小限に抑えることができ、コスト面でのメリットが見込めます。