ITリテラシーとは?
社員のITリテラシーを高める重要性と対策ポイントを解説

デジタル化が進む現代では、誰もがIT機器を使用することが当たり前になっています。これに伴い、サイバー攻撃などのセキュリティリスクも高まっており、企業では社員のITリテラシー向上が急務となっています。一方で、ITを有効活用することで業務効率化や生産性の向上を図ることが可能です。今回は、ITを有効活用する上で重要なITリテラシーの基礎知識を関連するリスクや対策とともに紹介していきます。

今回のケース

セキュリティ脅威への対策やテレワークの推進に伴い、社員のITリテラシーを高める必要があると感じているが、「ITリテラシー」への理解が曖昧。重要性や取り組むべきポイントを知りたい。

( 1 ) ITリテラシーとは

ITリテラシーとは、コンピュータやインターネットなどのIT技術に関する知識や、それらを活用する力を指す言葉です。大きくは以下の3つがITリテラシーに含まれます。

情報リテラシー

必要かつ正しい情報を見つけ出し、適切に活用することができる力を「情報リテラシー」といいます。インターネット上で多くの情報に触れることができるようになった反面、情報の質に関しては利用者の判断に委ねられており、正しく取捨選択する力が求められています。

コンピュータリテラシー

コンピュータに関する知識や操作スキルを「コンピュータリテラシー」といいます。あらゆる企業で業務にパソコンを使用するため、基本的な知識や操作方法を身に付けておくことは必要不可欠です。システムエンジニアなどの専門職ではさらに高度な知識やスキルが要求されます。

また、厚生労働省による「平成29年度基礎的ITリテラシーの習得カリキュラムに関する調査研究報告書」では、基礎的ITリテラシーを以下のように定義しています。

現在入手・利用可能な IT を使いこなして、企業・業務の生産性向上やビジネスチャンスの創出・拡大に結び付けるのに必要な土台となる能力のこと。いわゆる IT 企業で働く者だけでなく、IT を活用する企業(ITのユーザー企業)で働く者を含め、全てのビジネスパーソンが今後標準的に装備することを期待されるもの。

参照:厚生労働省「平成29年度基礎的ITリテラシーの習得カリキュラムに関する調査研究報告」

ネットワークリテラシー

ネットワークやセキュリティに関する知識や運用技術を「ネットワークリテラシー」といい、インターネットの正しい利用方法やモラルなども含まれます。特に企業では顧客情報や機密情報の漏洩などを防ぐための情報セキュリティ対策は重要です。万一、事故が起きると企業全体の信頼を損なう恐れもあり、このような事態を避けるためにもネットワークリテラシーを高める必要があります。

( 2 ) 社員のITリテラシーが低いことによるリスク

ITリテラシー向上における課題

ITリテラシーが重視される背景として、社会のデジタル化や働き方の変化が挙げられます。ITツールは多様化し、業務のデジタル化も急速に進んでいます。また、働き方改革の推進やコロナ禍によってテレワークなどの新たな働き方を取り入れる企業も増えてきました。これに伴い、社員のITリテラシーの低さが原因で問題が生じるケースも見られます。

情報セキュリティリスク

ITリテラシーが低いと情報の重要性を認識できず、情報管理が適切に行われないといった問題が起こります。セキュリティに対しても対策が甘くなり、サイバー攻撃やスパムメールなどからマルウェアに感染する可能性も高まります。これにより情報漏洩などが起きてしまうと会社の信用低下につながるだけでなく、業績悪化や最悪のケースとして倒産などの甚大な被害も予想されます。

働き方の変化による業務効率の低下

業務のデジタル化が進み、企業では便利なIT機器やツールを導入、業務の効率化や生産性の向上を図っています。また、業務などから得られたデータを分析し、マーケティングに活用するといった取り組みも行われています。しかし、ITリテラシーが低いとシステムやITツールの仕組みを理解できず、使いこなせないケースが出てきます。逆に時間がかかったり、ミスをしてしまったりすることで、業務効率を下げてしまうことにもなりかねません。

このほかにも、テレワークやリモートでの業務ではITツールの利用が不可欠となり、これまで以上にITリテラシーの向上が求められています。

( 3 ) ITリテラシー向上によるメリット

ますます広がるネットワークカメラシステム

ITリテラシーの向上によって得られるメリットを改めて確認してみましょう。

情報セキュリティ対策の徹底

ITリテラシーの向上によって、ヒューマンエラーを削減することができます。不審なメールや添付ファイルを開かないといった基本的なことから、サイバー攻撃の手口の理解、IDパスワードの管理、データの保存方法など、セキュリティに対する意識を高めることで情報漏洩不正アクセスなどを防ぐことができます。また、定期的な情報共有や教育などによって、組織全体のITリテラシー向上を図ることも重要です。テレワーク時のルール設定やITツールなどの運用方法の周知徹底などもあわせて行うと効果的です。

業務効率化と生産性向上の実現

コンピュータやスマートフォン、タブレットなどのモバイル端末、業務におけるシステムや各種サービスを使いこなす力が高いほど業務を効率化でき、生産性の向上が図れます。情報収集なども効率よく行うことができ、それらを分析・活用することで、会社の利益につなげることも可能になります。また、ちょっとしたトラブルなどに対応することができれば、業務を中断することなく、同僚や顧客に迷惑をかけることも回避できます。

( 4 ) 社員のITリテラシーを高める対策とポイント

社員のITリテラシーを向上するためには、定期的に講習や教育を行うことが有効です。サクサでは社内外のさまざまなセキュリティ脅威を防ぐだけではなく、 社員のITリテラシー向上にも貢献できるシステムとして「UTM (統合脅威管理アプライアンス)SS7000II」をご提案しています。ここからは、ITリテラシー向上とセキュリティ対策の具体例を紹介します。

社員のセキュリティ意識を高める「標的型攻撃メール訓練」(オプション)

標的型攻撃を模した訓練用メールを社員に送信し、うっかり開いた場合には訓練であることをメッセージとして表示します。定期的に訓練を行うことで社員の意識が向上し、メールからのウイルス感染などを減らすことができます。

UTMによる情報セキュリティ対策

高性能エンジンにより最新のウイルスを検疫し、サイバー攻撃の脅威から社内ネットワークを守ります。また、社員のWebアクセスを制限し、危険なサイトアクセスとSNSや掲示板などへの情報漏洩を防ぎます。さらに最新のファームウェア(※1)への自動更新、シグネチャ(ウイルス検知ファイル)の自動アップデートによって、リスクを軽減するとともに更新の手間も省けます。

スパムメール・迷惑メール検知

スパムメールや迷惑メールを自動で振り分けが可能です。悪質なフィッシングサイトへの誘導をブロックし、偽造WebサイトなどによるIDやパスワードの盗難を防ぐほか、メール本文内の不正なリンクも検知します。

テレワークへの対策(αシリーズ/オプション)

SS7000IIはテレワークでもオフィスと同様のセキュリティを実現する「リモートコネクト」機能で、社外のどこからでも、さまざまな端末で社内ネットワークにアクセスが可能となります。また、391,000社以上で導入されているソフトウェア「ESET」により、オフィスから持ち出したPCなどの社外ネットワーク接続時でも、UTM とのダブルガードで安心・安全なセキュリティを提供します。

※1 ファームウェア:さまざまな機器に内蔵されているコンピュータシステムを制御するためのソフトウェア。

( 5 ) まとめ

IT技術は日々進化を続け、目覚ましい発展を遂げています。現在では多くの企業がWebによるビジネスを展開しており、ITは欠かせないものとなっています。安心・安全に運用を行い、よりよい事業を展開していくために、ITリテラシーの向上と情報セキュリティ対策を講じていくことが求められています。
サクサは、課題解決のための最適な提案を通して、中堅・中小企業のサポートをさせていただきます。ぜひお気軽にご相談ください。

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