IT(情報技術)は私たちの生活に深く浸透し、もはやなくてはならない存在となっています。ビジネスの現場でも、業務効率化や生産性向上に欠かせないツールとして、広く活用されています。一方で、サイバー攻撃や情報漏洩などのリスクも高まっており、企業では社員一人ひとりのITリテラシーの向上が急務となっています。今回は、ITリテラシーの重要性について紹介していきます。
今回のお悩み
セキュリティ脅威への対策やテレワークの推進に伴い、社員のITリテラシーを高める必要があると感じているが、「ITリテラシー」への理解が曖昧。重要性や取り組むべきポイントを知りたい。
私が解説します!
ITリテラシーは、IT機器を使いこなすというスキルだけに限らず、ITを安全かつ効果的に活用するために必要なスキルとして重要視されています。今回は、企業におけるITリテラシー向上の必要性について、さまざまな側面から詳しく解説します。自社のITリテラシーの強化を検討している方はぜひ参考にしてください。
目次
( 1 ) ITリテラシーとは何かをわかりやすく解説
ITリテラシーとは、ITを理解し、適切に活用する能力を意味します。コンピュータやインターネットなどの情報技術(IT)と、特定分野の知識を正しく理解して活用する能力(リテラシー)を合わせた言葉です。デジタル技術全般を範囲とする「デジタルリテラシー」も近い意味として使われています。
ITリテラシーが重要視される背景には、近年の急速な技術発展や働き方の変化が挙げられます。また、ITツールの多様化や業務のデジタル化が進むに従って、より広範で高いレベルのITリテラシーが求められるようになっています。
ITの活用には利用者側のリテラシー向上が不可欠であり、すべてのビジネスパーソンが持つべきスキルとされています。ITリテラシーは、IT機器の基本スキルだけでなく、情報収集・分析能力、情報セキュリティ意識など、広範囲にわたるスキルを含みます。ITリテラシーは時代や社会の変化とともに、常にアップデートしていくことが必要です。
( 2 ) ITリテラシーの種類
ITリテラシーは、大きく分けて3つの種類に分類されます。
情報リテラシー
必要かつ正しい情報を見つけ出し、適切に活用することができる力を「情報リテラシー」といいます。インターネット上で多くの情報に触れることができるようになった反面、情報の質に関しては利用者の判断に委ねられており、正しく取捨選択する力が求められています。
コンピュータリテラシー
コンピュータに関する知識や操作スキルを「コンピュータリテラシー」といいます。あらゆる企業で業務にパソコンを使用するため、基本的な知識や操作方法を身に付けておくことは必要不可欠です。システムエンジニアなどの専門職ではさらに高度な知識やスキルが要求されます。
ネットワークリテラシー
ネットワークやセキュリティに関する知識や運用技術を「ネットワークリテラシー」といい、インターネットの正しい利用方法やモラルなども含まれます。特に企業では顧客情報や機密情報の漏洩などを防ぐための情報セキュリティ対策は重要です。万一、事故が起きると企業全体の信頼を損なう恐れもあり、このような事態を避けるためにもネットワークリテラシーを高める必要があります。
( 3 ) ITリテラシーが低い企業の特徴・リスク
ITリテラシーが低い企業は、デジタル機器やツールを使いこなせておらず、個人のスキルや経験に依存した非効率な方法や、従来のアナログな方法で業務を進めてしまう傾向があります。ITリテラシーに関する教育が十分に行われていないと、社員は最新の知識や技術を学ぶ機会がなく、ITリテラシーの重要性を認識できないまま業務を行うことになります。ここでは、ITリテラシーが低いことによって生じる主なリスクを説明します。
業務効率の低下
メールやソフトウェア、業務システムなどを使いこなせないと、本来であれば短時間でできる作業に多くの時間を費やすことになり、業務効率を著しく低下させてしまいます。また、理解不足によって誤操作やトラブルを招き、データの消失やシステム障害を引き起こす可能性があります。急速に普及したテレワークやリモート業務では、ITツールの利用が不可欠であり、これまで以上にITリテラシーの向上が求められています。
情報漏洩リスクの増大
ITリテラシーが低いと情報セキュリティに対する重要性を認識できず、メールの誤送信や情報管理が適切に行われないといった問題が発生します。また、企業のセキュリティ対策が不十分な場合、安全性の低いサイトへのアクセスやフィッシングなどにより、マルウェア感染や機密情報の漏洩につながるリスクが高くなります。
企業イメージの低下
情報漏洩やサイバー攻撃などの情報セキュリティ事故が発生すると、事故の被害だけでなく企業全体の存続に関わる事態に発展しかねません。会社の信用低下に加え、業績悪化や取引先との契約解除、最悪のケースとして倒産など甚大な被害も予想されます。
( 4 ) 社員のITリテラシーを高める3つの方法
デジタル化が進む現代社会において、社員のITリテラシーは必須スキルです。しかし、すべての社員が十分なITリテラシーを持っているわけではありません。ここからは、社員のITリテラシーを高める3つの具体例を紹介します。
社員教育の定期的な実施
ITリテラシーの向上には、継続的な教育が欠かせません。社員のスキルや業務内容に合わせて定期的に実施することが重要です。研修は社内の担当者に限定することなく、専門家による外部研修やeラーニングを有効に活用するといいでしょう。また、IT関連の資格に対して、受験費用や報奨金を支給することで取得を促進することができます。
IT環境の整備
日常的にITに触れる機会が少ないとITリテラシーは向上しません。パソコンなどのIT機器やクラウドの導入、システムにアクセスしやすい環境など、まずは社内のIT環境を整備する必要があります。ITを業務に積極的に取り入れることで、社員の意識が高まり組織全体のITリテラシーの向上につながります。
ツールを活用した情報セキュリティ対策
ツールを活用した情報セキュリティの強化も、社員の意識を高める有効な手段です。情報の取り扱いに関してルールを明確化して周知することでセキュリティの重要性を認識し、適切な行動を取ることができます。対策には自社のニーズに合ったツールの選択が重要です。
例えば、サクサの「UTM (統合脅威管理アプライアンス)SS7000Ⅲ」は、社内外のさまざまなセキュリティ脅威を防ぐだけでなく、社員のITリテラシー向上にも貢献できる機能を搭載しています。
●Webフィルタリング
社員のWebアクセスを制限し、危険なサイトへのアクセスによる情報漏洩を防ぎます。
●スパムメール・迷惑メール検知
悪質なフィッシングサイトへの誘導をブロックし、メール内の不正なリンクも検知します。
●標的型攻撃メール訓練(オプション)
標的型攻撃を模した訓練用メールを社員に定期的に送信し、意識向上を図ります。
●テレワークへの対策(αシリーズ/オプション)
社外からの接続時でも、安全に社内ネットワークにアクセスできる「リモートコネクト」機能を搭載しています。
( 5 ) ITリテラシーが高まることで期待できる効果
社員のITリテラシーが向上することによって、企業にもさまざまなメリットが期待できます。
セキュリティリスクを軽減できる
不審なメールや添付ファイルを開かないといった基本的なことから、サイバー攻撃の手口の理解、IDパスワードの管理、データの適切な保存方法など、セキュリティに対する意識を高めることで、情報漏洩や不正アクセスなどを防ぐことができます。万が一問題が発生した場合にも適切な対策を講じることができ、被害を最小限に抑えることができます。
組織全体の業務効率・生産性が向上する
モバイル端末や業務システム、各種サービスを使いこなす能力が高いほど業務を効率化でき、生産性の向上が図れます。情報収集やデータ分析なども効率よく行えるようになり、組織全体の利益にもつながります。また、メールやチャット、オンライン会議などのツールを活用することで、情報共有が活発になり業務を円滑に進めることができます。
( 6 ) まとめ
IT技術は日々進化を続け、目覚ましい発展を遂げています。現在では多くの企業がWebを活用したビジネスを展開しており、ITは欠かせないものとなっています。安心・安全に運用を行い、よりよい事業を展開していくために、ITリテラシーの向上と情報セキュリティ対策を講じていくことが求められています。
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