NASで電子帳簿保存法に対応する方法!
3つのメリット・注意点も紹介

電子帳簿保存法が改正され、2024年1月から電子取引データの保存義務化が始まりました。そのデータの保存先として注目されているのがNASです。すでにNASでの保存を検討されている方もいれば、「その言葉を初めて聞いた」という方もいるでしょう。今回は、NASでデータ保存を行うメリットや注意点について紹介します。

今回のお悩み
電子取引データ保存義務化への対応方法を検討している。どうすれば保存要件をクリアできるか知り、なるべく効率的に改正電子帳簿保存法に対応したい。

私が解説します!
保存要件がどんなものかがわかれば、改正電子帳簿保存法への正しい対応ができます。また保存先として注目されているNASについて、特徴やメリット、注意点なども紹介します。

( 1 ) 改正電子帳簿保存法の概要

2022年4月1日より施行された改正電子帳簿保存法には、各税法で保存が義務づけられている帳簿・書類を、電子データで保存する際のルールなどが定められています。主な保存区分は以下の3つです。

  1. ①電子帳簿等保存(例:PCで作成した売上帳)
  2. ②スキャナ保存(例:紙で受領した領収書)
  3. ③電子取引(例:ECサイトの領収書、メールに添付された請求書)

このうち①と②の保存方法は紙でも電子データでもよいのですが、③については電子データのみでの保存が義務づけられることになりました。施行後、当面は宥恕期間が設けられていましたが、2024年1月1日からいよいよ電子取引データ保存の義務化がスタートしました。

参照:国税庁_電子帳簿等保存制度特設サイト

( 2 ) NASで電子取引データは保存できる?

では、どこに電子取引データを保存すればよいのでしょうか。そこで注目されているのがNASというツールです。これは「Network Attached Storage」の略で、ネットワークに接続できるハードディスクという意味です。

一般的にハードディスクといえば外付けで、USBケーブルで接続するタイプが知られています。これは基本的にPCと1対1で使用するため複数のPCで情報共有するには適していません。しかしNASはネットワーク上の複数のPCで共有することができるため、電子取引データの保存にNASを活用できるのではないかと考えている人が多いのです。

NASで電子取引データを保存することは可能です。しかしメリットだけでなく注意点もあるので、しっかり理解しておきましょう。

( 3 ) NASで電子取引データを保存するメリットと注意点

NASは一般的なハードディスクより高価ですが、データ保存においてさまざまなメリットがあります。大きく3つのメリットを注意点も含めて解説します。

●集約保存・一括検索ができる

保存すべきデータは複数の従業員が作成・受領するため、これらを集約して保存することで、情報共有はもちろん、一括検索も可能になります。

●細かい権限設定ができる

重要なデータについては特定の部署やスタッフだけがアクセスできるなど、細かな権限設定が必要です。これはデータ改ざん防止に効果があります。

●耐障害性が高く長時間使用できる

NASに搭載されているのは、長時間の稼働に適した専用のハードディスクです。それだけ耐障害性が高く、データ消失やリスクが低いと言えます。ただし自然災害など万が一のことを考えてバックアップは必ず行うことをおすすめします。

( 4 ) NASで電子取引データを保存する方法

NASで電子取引データを保存するには、まず機器の導入が必要です。そのうえで「事務処理規程」を設けます。これは保存要件として「真実性の確保」が必要となり、以下のいずれかに対応することを求めています。

NASで電子取引データを保存する方法
  1. ①タイムスタンプが付与されたデータの授受
  2. ②速やかなタイムスタンプの付与
  3. ③データの訂正・削除の履歴が残る、または訂正・削除ができないシステムの利用
  4. ④改ざん防止のための事務処理規程を設けて運用

現実的な対応策として、①~③は場合によって大きなシステムの変更になるため、④に対応するのが最も簡単です。
事務処理規程は国税庁のホームページからひな形をダウンロードできるので、これをベースに事務処理規程を設ければ、保存要件をクリアすることができます。

参照:国税庁_参考資料(各種規程等のサンプル)

( 5 ) 保存要件を満たす電子取引データ管理ツール

保存要件にはもう一つ「可視性の確保」があります。可視性の確保では、まず設備要件としてディスプレイ、プリンターなどを備えつけ、電子データをいつでも速やかに出力できること、さらに検索要件として以下のことが求められています。

  1. ①取引年月日、取引金額、取引先により検索できること
  2. ②日付または金額の範囲指定により検索できること
  3. ③2つ以上の任意の記録項目を組み合わせた条件により検索できること

電子取引データを保存・管理するためのツール選択では、これらの保存要件を満たすものが求められます。サクサの電子データ管理ツール「DG1000」は、上記①~③の検索要件をすべて満たしているほか、以下のような課題解決にも役立ちます。

●インボイスに対応

電子取引データを保存する際、インボイス登録番号を索引簿の情報として登録。電子取引データにインボイス登録番号がない場合は、取引先に対してインボイス登録番号が記載された電子取引データの発行を依頼できます。登録番号の記載漏れを把握することで、仕入れ税額控除漏れを防止します。

●変更履歴の管理・記録

Excelなどによる台帳管理だと、電子取引データの訂正や削除が誰でもできてしまい、不正が発生する恐れがあります。「DG1000」は、訂正・削除を記録し、変更や訂正履歴はCSVファイルで出力することで、変更や訂正を誰が、いつ行ったのか判明します。電子データの変更・訂正履歴を管理し、不正な経理処理を抑止します。

「DG1000」なら電子取引データを正しく保存することはもちろん、経理業務の効率化を図ることも可能です。

( 6 ) まとめ

今回は、NASで電子帳簿保存法に対応する方法、メリットや注意点を紹介してきました。どうすれば保存要件を満たすことができるのか、ご理解いただけたのではないでしょうか。適切なツールを導入し、電子帳簿保存法に対応した社内環境を整備することで、電子取引データを簡単かつ安全に保存・管理することができ、業務の効率化にもつながります。
サクサでは記事で紹介した電子取引データを正しく保存する機能がそろった「DG1000」をはじめ、課題解決に役立つツールのご提案を通して、中堅・中小企業のみなさまをサポートさせていただきます。ぜひ気軽にお問い合わせください。

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