DX推進のカギとなるモダナイゼーションとは?
マイグレーションとの違いや必要性を解説

「DXに取り組みたいけれど、何から行えばよいかわからない」という方は多いのではないでしょうか。最近、DXのキーワードとして「モダナイゼーション」という言葉をよく聞きます。似たような言葉に「マイグレーション」がありますが、今回はその違いなどを解説するとともに、DX推進につながるセキュリティ対策についても解説します。

今回のお悩み
モダナイゼーションという言葉は聞いたことがあるが、よくわかっていない。古いシステムを利用することの問題点や、モダナイゼーションのメリットを知りたい。

私が解説します!
DX推進に不可欠なプロセスといわれるモダナイゼーションの考え方や、必要性について解説していきます。マイグレーションとの違いを理解したうえでモダナイゼーションを実践し、安全にDXを推進しましょう。

( 1 ) モダナイゼーションとは?

モダナイゼーションを理解するうえで知っておきたいのが、レガシーシステムです。日本語で「旧型のシステム」などと呼ばれますが、古い技術や仕組みによって構築されているシステムを指します。具体的には1980年代に導入されたメインフレームと呼ばれる大型コンピュータ、あるいはそれを小型化したオフィスコンピュータが該当します。それらがいまだに基幹システムとして生産管理、受発注管理、労務管理などの業務で使われ続けているのです。

モダナイゼーションとは、このレガシーシステムを現代のビジネス環境に適した新しいシステムへと置き換えることです。過去のシステムに蓄積された情報資産は生かしながら、最新技術を用いたシステムに刷新することで、業務生産性の向上、ひいてはビジネスの競争力強化につなげます。

モダナイゼーションが注目される背景

レガシーシステムを使い続けるとどうなるのか、経済産業省では2018年に発表した「DXレポート」の中で、「2025年の崖」という表現で説明しています。
日本企業がレガシーシステムから脱却できない限り、2025年以降、最大12兆円(年間)の経済損失が生じる可能性があると指摘されています。その到来を目前とした今、まさにモダナイゼーションが広く注目されているのです。

参照:経済産業省「DXレポート ~ITシステム「2025年の崖」克服とDXの本格的な展開~」

( 2 ) マイグレーションとの違い

モダナイゼーションに類似する言葉に、マイグレーションがあります。モダナイゼーションとマイグレーションは「システムの変更」や「アップグレード」という意味では似ていますが、厳密には異なります。
マイグレーションとは、ハードウェア、ソフトウェアなど既存のシステムを新たなシステムに移行することです。しかしそれは必ずしもレガシーシステムを対象にしているわけではありません。

モダナイゼーションは、いわばもっと大胆なメス入れです。老朽化・複雑化・ブラックボックス化したシステムを大きく変革することを意味します。導入からかなりの時間が経過しており、拡張やメンテナンスがしにくく、最新技術やビジネスモデルに対応できない基幹システムからの脱却がモダナイゼーションです。

モダナイゼーションのメリット

モダナイゼーションのメリットとしては以下の3つが挙げられます。

業務生産性の向上

最新のシステム導入によって生産性が向上することが、一番のメリットです。

  • 端末起動がスムーズになる
  • 消費電力が抑えられる
  • データ処理のスピードが向上する
  • 豊富な機能のアプリケーションに適応できる

こうした効率化が実現できます。

セキュリティの強化

レガシーシステムはサイバー攻撃者にとって格好の標的です。旧型のシステムでは巧妙化するサイバーリスクに対応できないため、最新のシステムへの刷新によって、セキュリティリスクを軽減することが可能となります。

ブラックボックス化の解消

レガシーシステムでは機能の追加や改修が何度も行われ、複雑化することにより業務の属人化(※1)、いわゆるブラックボックス化が起きてしまいます。新システムに刷新することで、誰でも業務をスムーズに遂行できる「標準化」を図ることができます。

※1 属人化:業務内容、仕事の進め方などが特定の従業員にしかわからなくなってしまう状態を指す。

( 3 ) モダナイゼーション成功のポイント

モダナイゼーションを成功させるには、以下の3つのことに留意しましょう。

問題点の洗い出し

既存システムのどこが問題か、まずは現状把握が大切です。そのうえで予算、人員、スケジュールなどを決め、モダナイゼーションを進めていきます。また移行過程でどのようなリスクがあるのかも考え、その対策も検討しておきましょう。

部署間の調整

モダナイゼーションは全社的な取り組みになるため、部署間を超えたコミュニケーションが必要になってきます。プロジェクトチームを立ち上げる際には、メンバーを多部署から人選するとよいでしょう。

最適な手法の選択

どのような技術によって新システムを構築するか、その選定も重要なポイントになります。まずは実際に既存のシステムを使っている現場の声をヒアリングしたうえで、自社に適した手法を選択してください。

( 4 ) DX推進のためのセキュリティ対策

先にも述べたように、新システムへの刷新には、最新のセキュリティツールの導入がセットで欠かせません。むしろ最新のセキュリティ環境の実現は、モダナイゼーションの一環ととらえることが必要です。
そこで注目していただきたいのが、UTMというセキュリティツールです。UTMにはオールインワンで多くのセキュリティ機能が搭載されており、多層的な対策に最適です。

DX推進のためのセキュリティ対策

例えば、サクサUTM「SS7000Ⅱ」は、一台で強固なセキュリティ対策を可能にするアプライアンスです。不正アクセス、ウイルス侵入など、さまざまな外部脅威から統合的に社内ネットワークを守ることはもちろん、内部からの情報漏洩リスクも抑えます。
また最新のファームウェアに自動更新されること、ウイルス感染時は無料でPCウイルス駆除サービスが受けられること、標準でサイバー保険(※2)が付いていることなども魅力です。これなら専門知識を持つスタッフがいなくても安心です。

※2 サイバー保険情報漏洩の損害賠償、システムの復旧費用など、さまざまなサイバー攻撃のリスクに備えることができる保険。

( 5 ) まとめ

ここまで、モダナイゼーションとは何かを解説するとともに、DX推進の土台構築として欠かせない最新のセキュリティ対策について紹介してきました。モダナイゼーションはもはや急務ともいえる状況に来ています。DXを推進してビジネスの競争力を強化するためにも、モダナイゼーションを実現し、あわせてセキュリティ対策にも取り組んでみてはいかがでしょうか。
サクサでは記事で紹介したUTM「SS7000Ⅱ」をはじめ、UTMの基礎知識を解説する特設ページをオープンしています。UTMの機能や脅威となるサイバー攻撃について、動画で詳しくご紹介しています。ぜひ自社のセキュリティ対策の参考にしてください。

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