( 1 ) UTMとは?
UTMとは、「Unified Threat Management(統合脅威管理)」の略で、統合的なセキュリティ対策を実施すること、あるいはそれを実現するためのセキュリティシステム(アプライアンス製品)のことです。ここでは後者について解説します。UTMには、ファイアウォール、マルウェア(悪意のあるプログラム)対策、スパム対策、不正侵入検知・防御、Webフィルタリング、アプリケーション制御など、さまざまなリスクに対するセキュリティ機能が備わっています。企業にとっては安心してネットワークを利用するうえで欠かせないアイテムになっています。
( 2 ) UTMの特徴やメリット

UTMの特徴を一言でいえば、多くのセキュリティ機能がひとつに集約されていることです。ゲートウェイ(ネットワークの出入り口)で外部からの攻撃や侵入を防ぐだけでなく、内部からの脅威、つまり情報漏洩のリスクも抑えることができます。
ウイルスやスパムメールの検知、Webフィルタリングに加え、メール誤送信の防止など、複数の機能が一元化されているため、個別にセキュリティ対策を行う場合と比べてコストが低く、その後の運用・管理も含めて経費の削減を図ることができます。「セキュリティを強化させたい」でも「コストはなるべく抑えたい」というニーズを叶えてくれます。 従来のUTMはゲートウェイとして設置するオンプレミスでしたが、近年は仮想アプライアンス、またはクラウドサービスとしてのUTMも登場しています。
( 3 ) UTMを選ぶ際のポイント
UTMにはさまざまなものがあります。UTM選びに迷った際には、以下のような視点を大切にしてください。
ユーザー数と合っているか
UTMにはユーザー数の上限が設定されていることが多いため、利用する環境のユーザー数とそのUTMのスペックが合っているかどうかをチェックしておきましょう。物理的にギリギリの処理能力では、将来拡張する際にも不便です。現状の人員に対して少し余裕のあるものを選ぶ(ユーザー数に応じて契約する)ようにしましょう。
性能とコストのバランスが取れているか
UTMは搭載されたCPU(中央演算装置)によって性能が左右されるため、自社の状況に適したものを選ぶとともに、搭載されている機能に過不足がないかも確認しましょう。また、選ぶ際のポイントとして価格も大事な要素となります。自社に必要な性能や機能を備え、コストに見合ったものを見極めることが重要です。
適切なサポート体制があるか
提供したらそれで終わりではなく、いざというときの迅速な対応やメンテナンスなど、安定稼働と長期利用を見据えサポート体制がしっかりしているかどうかも確認しておきましょう。