【まとめて解説!】知っておきたいテレワーク導入から定着までのポイント(後編)

テレワークが普及してきているものの、実際に実施している企業はまだ半数程度と言われています。働き方改革の推進や人材確保の一環として、これからテレワークの導入や整備を考えている経営者の方もいらっしゃるのではないでしょうか。今回は在宅勤務とテレワークの違いから、導入時の情報セキュリティ対策や導入後の社員のストレスケアにいたるまで、さまざまなポイントを紹介します。

今回のお悩み
テレワークを実施するうえで必要な、セキュリティ面や運用面などのさまざまな対策や注意点を改めて確認したい。

私が解説します!
テレワークを導入し定着するためには、自社や社員の状況に合わせた対策と運用が必要になります。前半ではテレワークの基本的な考え方をはじめ、マルウェアサイバー攻撃に備えた情報セキュリティ対策、顧客対応を解説しましたが、後半では生産性を高めるために必要なこと、社内コミュニケーションの活性化、社員へのメンタルヘルスケアも含めて解説します!

リンク:【まとめて解説!】知っておきたいテレワーク導入から定着までのポイント(前編)はこちら

( 4 ) テレワークで生産性を上げるために必要なこと

テレワークの導入が進まない要因の一つに、生産性の低下への懸念があります。自宅や社外など目の届かない場所での業務に対し、「ちゃんと仕事をしているのか把握できない」「勤怠管理はどうすればよいのか」などの声も挙がっています。

テレワークで生産性は下がる?上がる?

厚生労働省「テレワーク総合ポータルサイト」によると、テレワークを実施した企業のアンケート調査では、回答者の約9割が「生産性が向上したか、変わらない」と答えています。残りの1割は「コミュニケーションがとりづらく、生産性が下がった」と回答しています。
テレワークは職種によって時間短縮やコスト削減など、さまざまな効果が得られている一方で、コミュニケーションに課題を感じる人も一定数いることが伺えます。

テレワークで生産性が下がる原因

テレワーク導入への懸念となっている業務の進捗や勤務実態の不透明さは、生産性が下がる原因の一つです。そのほかには、

  • 業務に集中できない
  • 業務終了のタイミングが分かりにくい
  • リアルタイムで情報交換ができない
  • 同僚からの協力が得られにくい

など、急激な環境変化やコミュニケーション不足による社員のモチベーション低下なども原因となっており、以前とは違うストレスを感じていることも指摘されています。
とはいえ、多様な働き方を実現するテレワークは一定の評価を得ていることも事実です。自社の業務や社員の状況に応じた環境整備によって、改善していくことが求められています。

テレワークの生産性を上げる3つのポイント

生産性が下げる要因を解消し、向上を図るための具体的なポイントは以下の3点です。

〈勤怠管理システムの導入〉

勤怠管理の不透明さを解消するためのツール導入はマストといえます。パソコンのログイン・オフで管理でき、インターネット経由で出退勤の入力が可能です。

〈情報共有ツールの導入〉

所属する部署やチームのコミュニケーション不足を解消するため、気軽に連絡ができるビジネスチャットやWeb会議ツールなどの情報共有ツールを活用しましょう。

〈テレワークでのルール策定〉

業務とプライベートが曖昧になることもテレワークの課題です。社員の負担にならない程度のルールを設け、オン・オフを切り替えるきっかけや習慣を促すことも重要です。

*より詳しい内容は以下の記事でご紹介しています。

( 5 ) 社内コミュニケーションの活性化

前項でも触れたとおり、テレワークの課題となる社員のコミュニケーション不足。解消するためにはコミュニケーションツールの活用が効果的です。しかし、世の中にはさまざまなコミュニケーションツールがあり、何をどのように使い分ければいいのか迷う方もいるでしょう。ここでは、ビジネスシーンにおけるコミュニケーションツールの特徴と使い分けについて紹介します。

ビジネスシーンにおけるコミュニケーションツールとは

  • 電話
  • メール
  • チャット(ビジネスチャット)
  • Web会議システム

従来の電話やメールに加え、テレワークで需要が高まったのがビジネスチャットやWeb会議システムです。ビジネスチャットの代表的なものとしては「Chatwork」や「Slack」、Web会議システムでは「Zoom」や「Microsolt Teams」などがあります。後者はオンライン飲み会などプライベートでも多く利用されています。

コミュニケーションツールの活用シーン

では、それぞれのコミュニケーションツールの活用シーンを紹介します。

〈特定の相手や緊急時には電話〉

決まった相手に確実に連絡したいときや、トラブルなどの緊急性の高い場合には電話が最適です。文字では伝わりにくい細か意図を伝えたり、信頼関係を構築したりする場合にも有効です。

〈まとまった情報発信にはメール〉

緊急度が低く、まとまった情報を伝える場合はメールが向いています。発信する時間を選ばず、受信者も自分の都合に合わせてやりとりできます。また、イベント告知など一度に多くの人に発信する場合にも適しています。

〈手軽なやりとりにはチャット〉

形式的なあいさつはなしで、手早く気軽なやりとりをするにはビジネスチャットが最適です。個人やチームなど柔軟な使い方ができるほか、コミュニケーション以外にも機能が充実しているため、ビジネスシーンで便利に使用できます。

〈対面の代替にはWeb会議システム〉

朝礼やミーティング、セミナーなどにはWeb会議の利用が一般的です。場所の確保や移動の必要がないため、遠隔地の取引先やテレワーク中でも参加でき、コスト削減にも役立つというメリットがあります。

コミュニケーション選びのポイント

コミュニケーションツールの導入にあたって、気をつけておきたいポイントを紹介します。

  • 誰もが使いやすいツールであること
  • 会社の規模や利用目的に適していること
  • 安全性の高いセキュリティ機能があること
  • 導入後のサポートがしっかりしていること

使いやすさや目的に合致していることは当然として、セキュリティが強固であることはビジネスで使用する際には外せないポイントです。また、導入後のサポートによって、活用範囲が広がったり、コミュニケーションが活発化したりすることで、より業務の効率化を促進できるようになります。

*より詳しい内容は以下の記事でご紹介しています。

( 6 ) テレワークや在宅勤務時のメンタルヘルスケア

仕事でストレスを感じることは少なくありませんが、テレワーク中のストレスは従来のものとは少し異なるという意見が聞かれます。ここでは、ストレスの原因や予防法、セルフケアなどについて紹介します。

これまでとは違う在宅勤務のストレス

在宅勤務をはじめとするテレワークが企業に浸透するなか、自宅などオフィス外で仕事をすることで、通勤時の心理的・身体的な不担当軽減や、育児や介護との両立のしやすさなどのメリットを感じる人が増えています。
一方で、従来とは違う働き方にこれまで感じたことのないストレスを訴える人が出てきており、そのストレスの解消が難しいという意見も多く見られます。
テレワークによって環境や仕事の進め方などが変化し、個別に業務を進める形態になったたことで、思わぬストレスを生む結果となりました。

テレワークのストレス要因とは?

通勤の負担なく、比較的自由に仕事ができるのに、なぜストレスを感じてしまうのか。そこにはテレワークだからこその理由があります。

  • オンとオフの切り替えが難しい
  • 体を動かすことや、リフレッシュの機会が減少
  • コミュニケーション不足で孤独を感じやすい

テレワークでは、気持ちの切り替えがうまくできなかったり、家族が近くにいることでストレスを感じたりする人は少なくありません。出社だけでなく、打ち合わせや商談などの外出機会も減ってしまうため、運動不足になりがちです。さらに、人との接触が大幅に減ることでコミュニケーション機会も減少します。ちょっとした雑談などよい息抜きになっていたものがなくなり、孤独感が募っていきます。

このような状態を放置すると、睡眠不足や情緒不安定、体の凝り、眼精疲労など心身に不調をきたすこともあります。

ストレスを予防・解消するセルフケア

テレワークによるストレスはセルフケアによって予防することができます。
勤務時間と休憩時間のメリハリをつけたり、起床、食事、就寝などの生活リズムを整えたりするとストレスを感じにくくなります。また、さまざまなツールを活用してコミュニケーションの機会を増やすことで、孤独感も解消されます。このほかにも、以下のようなストレス解消法があります。

  • 家の中でできるストレッチや軽い運動をここがける
  • プライベートの時間や趣味の時間を充実させる
  • カフェやコワーキングスペースなどを活用する

ちょっとした運動で体を動かしたり、環境を変えることで気分を変えたりすると、オン・オフの切り替えがうまくできるようになります。

ストレスセルフチェックをしてみよう

厚生労働省は、Web上でできるストレスセルフチェックを提供しています。簡単な質問に答えるだけで、自分のストレスレベルを測定できます。メンタルヘルス不調にならないためにも、自分のストレス度を測定してみましょう。

参照:厚生労働省「こころの耳 働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト」

また、さまざまなメンタルヘルスケアのツールもあるので、活用してみるのもおすすめです。サクサでは、場所や時間を問わず、脈波センサーやスマホアプリで簡単にストレスを「可視化」するメンタルヘルスケアサービス「cocoem.(ココエム)」を提供しています。測定だけでなく、個人に合わせた改善コンテンツも提案し、社員一人ひとりの健康を支援します。

*より詳しい内容は以下の記事でご紹介しています。

( 7 ) まとめ

今回はテレワークについて、関連する情報含めて総まとめとして解説してきました。働き方改革や多様な働き方の実現に、テレワークは欠かせないものとなっている一方で、導入にはいくつかの課題があることも事実です。今回ご説明した内容が、テレワークの導入や整備を進める一助になれば幸いです。
サクサではテレワークにおけるセキュリティや情報共有、メンタルヘルスケアにいたるまで、さまざまなツールのご提案を通して中小企業のみなさまのお手伝いをさせていただきます。気軽にお問い合わせください。

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