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サイバーセキュリティ対策の手段として、UTM(統合脅威管理)というツールを聞いたことがある方は多いのではないでしょうか。今回はUTM導入のメリット・デメリットと合わせて、どのような企業にUTMが向いているかをご紹介します。自社のサイバーセキュリティ対策にぜひお役立てください。
目次
( 1 ) UTM導入のメリットとは
まず知っておきたいUTMの基本
UTM(Unified Threat Management:統合脅威管理)とは、ファイアウォール、アンチウイルス、IPS(侵入防御システム)、アンチスパム、Webフィルタリングなど、複数のセキュリティ機能を1台の機器に統合したセキュリティソリューションです。
従来は各セキュリティ機能を個別に導入する必要がありましたが、UTMはこれらを一元管理することで、効率的な多層防御を実現します。特に、サイバー攻撃の手口が高度化し、マルウェアやランサムウェアの被害が増えている今、UTMは中小企業でも広く取り入れられている代表的なセキュリティ対策です。
短時間でUTMの要点を知りたい方は、こちらの資料もあわせてご覧ください。
ここでは、UTM導入による主な4つのメリットをご紹介します。
〈メリット〉
① 管理コスト・運用の手間を削減
セキュリティ機器を機能別にそれぞれ導入すると、それぞれに導入費用とライセンス費用が発生し、コストも管理の手間もかかります。その点、UTMはオールインワン製品なので、コストを抑えつつ管理の手間も削減できます。
また、複数のセキュリティ製品を個別に管理する必要がないため、設定変更やアップデート作業が1台で完結します。専任のIT担当者がいない中小企業にとって、この運用負担の軽減は大きなメリットと言えます。
② 多層防御の統合で高セキュリティ化
現代のサイバー攻撃は多様化・複雑化しており、単一のセキュリティ対策では防ぎきれません。UTMは以下のような多層防御を実現します。
- ファイアウォール機能:不正アクセスをネットワークレベルでブロック
- IPS/IDS機能:既知の攻撃パターンを検知・防御
- アンチウイルス機能:マルウェアやランサムウェアの侵入を防止
- アンチスパム機能:フィッシングメールなどの脅威を遮断
- Webフィルタリング機能:危険なサイトへのアクセスを制限
- アプリケーション制御:不正なアプリケーションの通信を防御
これらの機能が連携して働くことで、万が一どれか1つの防御層を突破されても、次の層で脅威を検知・遮断できます。結果として、より強固で多層的なセキュリティ体制を構築できます。
③ 一元管理によりトラブル対応が迅速
個別にセキュリティ対策をしていると、何かトラブルが起きたとき、どの製品に問題があるのかを特定し、それぞれのベンダーに連絡する必要があります。しかしUTMなら、すべてのセキュリティ機能を一元管理できるため、問題の検知から原因究明、対応まで迅速に行うことができます。窓口も1つのベンダーに統一されるため、トラブル対応の効率が飛躍的に向上します。
④ 拠点の追加やテレワークにも柔軟に対応
複数拠点を持つ企業やテレワークを導入している企業では、各拠点や自宅からのアクセスもセキュリティ対策の対象となります。UTMはVPN機能を標準搭載しているため、リモートアクセスも安全に管理できます。
拠点が増えた場合も、UTMを追加設置するだけで同等のセキュリティレベルを維持できるため、拡張性にも優れています。
( 2 ) UTM導入のデメリットとは
先述のようにメリットが多いUTMですが、導入前に理解しておくべきデメリットも存在します。自社の環境や要件と照らし合わせて検討しましょう。
〈デメリット〉
カスタマイズ性が低く機能ごとの選択ができない
オールインワン製品であるため、機能ごとにベンダーを選ぶことはできません。例えば「ファイアウォールはA社、アンチウイルスはB社の製品を使いたい」といったような、メーカーをまたいだ柔軟な組み合わせはできません。各機能の性能や仕様は、導入するUTM製品のメーカーに依存します。
そのため、特定の領域で高度な防御が必要な場合は、UTMではなく専門特化型のセキュリティ製品を導入するほうが適しているケースもあります。
処理集中による速度低下リスク
UTMは1台ですべてのセキュリティ機能を処理するため、トラフィック量が多い環境では処理能力がボトルネックとなり、通信速度が低下する可能性があります。
特に以下のような状況では注意が必要です。
- 従業員数が多く、同時アクセス数が多い
- 大容量ファイルの送受信が頻繁に発生する
- 動画会議などリアルタイム性が求められる通信が多い
導入前には、自社のトラフィック量や通信パターンを把握し、十分な処理性能を持つ製品を選定することが重要です。
問題発生時の影響
すべてのセキュリティ機能を1台に集約しているため、ひとたび問題が起きてしまうとインターネットが当面使えなくなります。インターネットへの依存度が高い企業では、UTM障害が発生すると、業務全体が停滞するリスクがあります。
( 3 ) UTMの導入がおすすめな企業
メリット・デメリットを踏まえ、UTMを導入すべきなのはどのような企業でしょうか。
具体的には以下のような企業にUTMの導入をおすすめします。
中小規模の企業である
従業員数が10〜100名程度の中小企業にとって個別のセキュリティ対策は大きな負担になります。そこで1台で多層防御ができるUTMがおすすめです。UTMなら、限られた予算内で企業全体のセキュリティレベルを大幅に向上させることが可能です。特に、複数のセキュリティ製品のライセンス管理や更新作業に人的リソースを割けない中小企業にとって、UTMの一元管理は大きなメリットです。
セキュリティの専任者がいない
情報システムなど専任の部署や担当者がいない企業は、UTMを活用することで専門知識がなくてもセキュリティ対策が可能です。多くのUTM製品は、初期設定がシンプルで、導入後もベンダーのサポートやマネージドサービスを受けられます。脅威の検知やブロック状況も視覚的に確認できる管理画面を備えているため、専門知識がなくてもセキュリティ状況を把握できます。
今すぐセキュリティを強化したい
取り付け工事や細かな設定が不要なUTMは、セキュリティ対策を講じていない企業がスピーディにできる対策と言えます。UTMはアプライアンス型(専用機器)として提供されることが多く、ネットワークの出入り口に設置するだけで、複雑な設定や各端末へのソフトウェアインストールが不要です。最短で数日程度での導入が可能なため、「今すぐセキュリティ対策を始めたい」という企業に最適です。
IPA(独立行政法人情報処理推進機構)や総務省などの公的機関でも、企業規模を問わず基本的なセキュリティ対策の実施を推奨しています。UTMはその実践手段の一つとして有効です。
参照:IPA【中小企業の情報セキュリティ対策ガイドライン】その他UTMの必要性が高い企業とは?
以下のような企業は、UTMによる多層防御が業務継続と信頼維持に直結するため、特にUTM導入の必要性が高いと言えます。
- 顧客の個人情報を扱う企業(小売、医療、不動産など)
- 金融取引を行う企業(インターネットバンキング利用など)
- メールでの業務が多い企業(マルウェアメール、フィッシング対策)
- 複数拠点を持つ企業(拠点間の統一されたセキュリティ対策)
- テレワークを導入している企業(リモートアクセスのセキュリティ対策)
( 4 ) UTMを導入した企業の実例
ここでは、実際にUTMを導入して効果を上げた企業の事例をいくつか紹介します。
【ウイルスの拡散を防止/運送業者】
運送の依頼をメールでやりとりしていたところ、従業員のPCがウイルスに感染。知らない間にウイルスが添付されたメールが客先に送信され、多大な迷惑をかけてしまいました。そこでUTMを導入し、ウイルスメール送信をブロック。さらにアンチスパム機能で迷惑メールの振り分けが簡単にできるようになり、業務効率もアップしました。
【甚大な金額の損害を防止/建設業者】
工事の入札の際、インターネットバンキングを利用して送金していました。ところがIDとパスワードを入力するサイトが不正に改ざんされ、情報が流出して数千万円の損害が発生する事態になりました。UTMを導入することで、アンチウイルス機能によりサイトからの感染リスクを最低限に抑え、安心して入札ができるようになりました。
【情報漏洩を防止/不動産業者】
業務上、顧客情報を大量に扱うため、何かセキュリティ対策をしなければと考え、UTMを導入しました。ウイルスやスパムメールの遮断、不正アクセスの防御など、情報漏洩に大いに効果があることを実感。セキュリティの不安が解消され、万一のときのサイバー保険(※1)も付いていることから大満足の結果になりました。
※1 サイバー保険:情報漏洩の損害賠償、システムの復旧費用など、さまざまなサイバー攻撃のリスクに備えることができる保険。
セキュリティ対策をどこから始めればよいか迷っている方は、「情報漏洩対策チェックリスト」も役立ちます。まずは現状の確認から始めてみてください。
( 5 ) UTMの選び方とおすすめ製品
ここでは、失敗しないUTMの選び方のポイントとおすすめ製品をご紹介します。
UTMを選ぶ際に気をつけたいポイントとしては、以下のようなものがあります。
選び方の3ポイント
① 必要な機能の範囲を明確にする
UTMは基本的なセキュリティ機能から高度な機能まで、製品によって搭載機能が異なります。
主な基本機能には、ファイアウォール、アンチウイルス、IPS/IDS(侵入防御・検知)、アンチスパム、Webフィルタリングなどがあります。
一方、アプリケーション制御、SSL/TLS通信の検査、サンドボックス、クラウド連携、DLP(情報漏洩防止)などは製品ごとに搭載状況が異なるため、自社のリスク対策に必要な範囲を事前に明確化しておきましょう。
② 運用・保守のサポート体制を重視
UTMは導入後の運用が重要です。特に、セキュリティの専任者がいない企業では、ベンダーのサポート体制が製品選定の重要な判断基準となります。
- 24時間365日のサポート体制があるか
- ウイルス定義ファイル(パターンファイル)の自動更新機能があるか
- リモート保守サービスが提供されているか
- 障害発生時の代替機の提供があるか
- セキュリティレポートの定期提供があるか
③ コストと拡張性のバランス
UTMのコストは、初期費用(機器購入費)と運用費用(ライセンス、保守費用)の両面から検討する必要があります。初期費用には機器購入・設置工事、運用費用にはライセンス更新・保守契約が含まれます。また、将来的な従業員増加や拠点追加に対応できる拡張性も重要です。
また、クラウド型のセキュリティサービス(SASEなど)と、アプライアンス型UTMでは、コスト構造が異なります。
- アプライアンス型:初期費用は高いが、長期的には割安
- クラウド型:初期費用は低いが、月額費用が継続的に発生
高負荷環境ならNGFWの検討も
中小企業にとってUTMはコストパフォーマンスに優れた有力な選択肢ですが、大規模企業や非常に高度なセキュリティが求められる業種では、UTMよりも高性能なNGFW(Next Generation Firewall:次世代ファイアウォール)が適している場合があります。
NGFWは、UTMと同様に多層防御機能を持ちながらも、より高度な脅威検知能力と処理性能を備えています。導入コストは高くなりますが、以下のような環境では検討する価値があります。
- 従業員数が100名を超える中堅企業
- 金融・医療など高度なセキュリティが求められる業種
- 大容量通信が常時発生する環境
- アプリケーション単位の厳密制御や高度な可視化・分析が必須
まずはUTMを基準に適合性を検討し、上記のような高度な要件がある場合はNGFWと比較して選定するのが有効です。
おすすめのUTM製品:SS7000Ⅲ
SS7000Ⅲは、不正アクセスやウイルス侵入など外部から来るさまざまな脅威から社内ネットワークを守るだけでなく、内部機器からのウイルス拡散、メール誤送信、情報漏洩などのリスクにも備えることができます。
またセキュリティ状況の“見える化”によりブロックした脅威が一目瞭然。さらにウイルス定義ファイル(パターンファイル)を定期的に更新し、最新のセキュアなネットワーク環境を保ちます。
いざというときの対応も迅速で、リモート保守サポートや、PCの感染時には無料のウイルス駆除サービスもあり、万が一に備えてサイバー保険も標準で付いています。これなら専任の担当者がいなくても安心です。
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( 6 ) UTM導入に関するよくある質問
Q1.UTM導入にかかる期間はどのくらいですか?
A1. アプライアンス型UTMの場合、最短で数日〜2週間程度で導入可能です。ネットワーク環境が複雑な場合や、既存システムとの連携が必要な場合は、さらに時間がかかることがあります。
Q2.導入後の運用負担はどのくらいですか?
A2. UTMは運用負担が非常に少ないことが大きなメリットです。
-
ウイルス定義ファイルの更新:
自動で実施されるため、手動作業は不要
-
ログ確認:
管理画面で視覚的に確認可能(週1回程度のチェックで十分)
-
設定変更:
拠点追加やルール変更時のみ(頻度は低い)
また、多くのベンダーがマネージドサービスを提供しており、日常的な監視や運用をアウトソーシングすることも可能です。
Q3.クラウド型とアプライアンス型の違いは?
A3. 一般的に、拠点数が多い企業や成長中の企業はクラウド型、安定した環境で長期運用したい企業はアプライアンス型が適しています。
アプライアンス型(オンプレミス型)
-
メリット:
処理性能が高い、長期的にはコスト安、カスタマイズ性が高い
-
デメリット:
初期費用が高い、物理的な設置スペースが必要
クラウド型
-
メリット:
初期費用が安い、設置工事が不要、拡張が容易
-
デメリット:
月額費用が継続発生、インターネット回線に依存
Q4.UTMはもう古いって聞いたけど本当?
A4. 「UTMは古い」という意見は、一部の大企業や特殊な高負荷環境下での話です。コストパフォーマンスに優れている点や専任者がいなくても運用できる点など、UTMは依然として中小企業に最適なセキュリティソリューションです。
詳しくは「UTMはもう古い?」の記事をご覧ください。
Q5.UTMのログはどのように活用すればいいですか?
A5. UTMのログは、外部からの攻撃検知だけでなく、社内の通信傾向や不審な挙動を把握する重要な情報源です。
定期的にアクセス先や通信量の傾向を確認することで、業務上不要な通信や潜在的リスクを早期に発見できます。マネージドサービスを利用して、レポート分析を自動化する方法も効果的です。
( 7 ) まとめ
今回は、UTM導入のメリット・デメリットと合わせてUTMを導入すべきなのはどのような企業かを紹介しました。
UTMのメリット
- 管理コスト・運用工数の削減
- 迅速なトラブル対応
- 多層防御による高セキュリティ
- 柔軟な拡張性
UTMのデメリット
-
カスタマイズ性の制限:
機能ごとに最適な製品を選べない
-
処理能力の限界:
高負荷環境では速度低下のリスク
-
単一障害点:
1台障害時の影響範囲が大きい
サイバーセキュリティ対策に高いコストや専任担当者など多くのリソースを割けない中小企業こそ、UTMが必要であることがご理解いただけたのではないでしょうか。サイバー攻撃が多様化・複雑化し、不正アクセスやマルウェア、ランサムウェアによる被害が増大する現代において、UTMは中小企業が効率的に多層防御を実現できる最適なソリューションです。
サクサでは、監視・保守・サポートなど導入後のアフターケアも充実しているUTMをはじめ、中堅・中小企業の課題を解決するサービスを多数ご用意しています。お気軽にお問い合わせください。
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