テレワークとは、ICT(情報通信技術)を利用することで、時間や場所を有効に活用できる柔軟な働き方を実現し、在宅勤務を含むオフィス外で働く形態を指します。最近では、新型コロナウイルス感染症対策の観点からテレワークを導入する企業が増えています。
しかし、テレワークが推奨される中、導入に二の足を踏む要因の一つに生産性への不安が挙げられます。特に経営者の方からは「テレワークにすると従業員がサボりがちになるのではないか?」、「勤怠管理の仕方がわからない」という声も少なくないです。事例を交えながら、テレワークの現状とテレワークで生産性を上げるポイントをお伝えします。
目次
今回のケース
新型コロナウイルス感染症対策の観点からテレワークの導入を検討しているが、勤怠管理や生産性担保に不安がある。気をつけるポイントを知っておきたい。
( 1 ) テレワークで生産性は下がる?上がる?
厚生労働省「テレワーク総合ポータルサイト」によると、多くの企業でテレワーク実施後にアンケート調査を行うと、回答者の約9割が「生産性が向上したか、変わらない」と答えています。残りの約1割は「コミュニケーションがとりづらく、生産性が下がった」と回答する傾向が出ています。
営業職やシステムエンジニアなどの職種は、テレワークによる迅速な対応が可能になり、外出先でWeb活用することでコストや移動時間の削減につながっています。また、一般職の在宅勤務では、電話応対や来客などがなくなり業務に集中できるため、生産性がアップします。ただし、一人で業務を進めるため、コミュニケーションに課題を感じている人も一定数いることが伺えます。
参照:厚生労働省 テレワーク総合ポータルサイト[テレワークの効果 (1)業務生産性の向上]( 2 ) テレワークで生産性が下がる原因
テレワークで生産性が下がるケースとして、以下のような原因が考えられます。
- 業務の進捗や勤務実態の不透明さ
- 業務終了のタイミングがわかりにくい
- 業務に集中できない
- 対面での素早い情報交換ができない
- 同僚からの協力が得られにくい
テレワークによる従業員のモチベーション低下、急激な環境変化に馴染めないなどが主な要因となっています。ほかにも、多くの従業員が大小さまざまな理由から生産性の低下を実感しており、以前にはなかったストレスを感じていることも指摘されています。
しかし、一方でテレワークの導入は政府が推進している施策であり、働き方改革や多様な働き方は一定の評価を得ていることも事実です。自社の業務や従業員の状況に合わせたテレワーク環境の整備など、課題を改善していくことが重要です。
( 3 ) テレワークで生産性を上げるポイント
上記に挙げた生産性が下がる要因を解決するための具体的なポイントを紹介します。
勤怠管理システムの導入
自宅やコワーキングスペースなどオフィス以外で業務を行うテレワークでは、従業員の出退勤の管理が問題となります。そこで、勤怠管理システムを導入し、インターネットでの出退勤打刻や、PCのログオン・オフで管理できる環境を整えることで、業務の開始・終了のタイミングを明確にし、勤務実態を把握することができます。
情報共有ツールの導入
情報共有ツールを導入することで、チームのコミュニケーション不足を解消することができます。気軽に連絡を取れるチャットツールやWeb会議ツールを積極的に活用し、互いの認識にズレがないか確認します。
テレワークでの習慣づくり
オフィスに出勤する場合と比べて、業務とプライベートがあいまいになる点がテレワークの課題といえます。テレワーク導入済みの企業のアンケート調査では、「服を着替える」「PCやスマホなどを片付ける」「軽い運動する」といったオン・オフを切り替えるための手段が回答されました。従業員の負担にならない程度のルールを設け、切り替えの習慣を促すのも会社の重要な役割です。
( 4 ) テレワークで生産性が上がった事例
実際にテレワークを導入した企業で、具体的にどのように生産性が向上したのかについて事例を紹介します。
<事例1>テレワーク導入やそれに伴う改革により、仕事の効率化を達成
テレワーク制度を、まずは自宅での勤務、続いて自宅以外の場所でも勤務可能な制度への変更と段階を踏んで導入。現在では、週2日のテレワークとフレックス勤務制度を併用することで、従業員が時間や場所を有効に活用して働ける環境が整えられています。社内固定席のフリーアドレス化、ペーパーレス化、仕事と休暇を組み合わせたワーケーションにも積極的に着手。このようなテレワーク導入とそれに伴う改革により、時間外・休日労働時間が大幅に減少するなど、従業員の生産性は大きく向上しています。
<事例2>終日在宅勤務と部分在宅勤務の組み合わせで業務効率を意識
移動時間や通勤に要する時間を減らし、生産性を高めることを目的として、コロナ禍以前よりテレワーク導入を推進。月5日まで取得できる終日在宅勤務と月の取得日数制限がない部分在宅勤務を組み合わせ、限られた時間での業務効率を強く意識した仕組みです。
前述のテレワーク総合ポータルサイトでは、テレワークは従業員の意識改革にも効果があるとされています。これは働き方の変革により、従業員のフットワークが軽くなったり、他部門との連携が進んだりすることが要因です。また、テレワークでは自ら業務計画を立てて実行することから、多くの企業で従業員の自立性が高まったとの調査結果が得られました。
( 5 ) テレワークを推進する働き方改革サーバ
テレワークを推進し、生産性向上を実現するさまざまな製品やサービスがあります。ここからはサクサの製品による具体例をご紹介します。
サクサでは、多彩な機能でテレワーク導入を後押しする働き方改革サーバ「GF1000Ⅱ」をご提案しています。
ビジネスチャットによるメモリー勤怠管理
高セキュリティとビジネス専用に特化したビジネスチャット「SMART Message」で、スマートフォンさえあれば、外出先や在宅勤務でも勤怠管理が可能になります。クラウドサーバで過去の勤怠管理やデータの修正にも対応します。また、情報共有ツールとして、グループや個別のコミュニケーションにも活用できます。
社員のパソコン操作を見える化
「OfficeLogAce」のファイル操作ログ収集機能で、所属しているグループ単位でアクセス権現設定が可能です。また、ユーザのWebサイト閲覧ログを取得することで、インターネットの業務外用途での利用を抑制することができます。
テレワークを支える便利な機能
この他にも、自宅などのテレワーク先で、パソコンのWebブラウザからGF1000Ⅱにアクセスができるほか、iOSモバイル端末でファイルの閲覧ができる「SB-Station」、取引先の連絡先や営業活動の内容などを共有できる顧客管理機能などが備わっています。
*固定IPおよびクラウド管理型VPNルータ「ZC1000」などの設定が別途必要です。
( 6 ) まとめ
テレワークは、会社にとって必ずしもメリットばかりではありません。コミュニケーションやフィードバックの不足により、生産性が下がる可能性があることも事実です。しかし、有効なツールや制度を導入することで、場所や時間にとらわれない新たな働き方が可能となります。業務効率を向上させ、従業員の能力を最大限発揮できるようにすることは、会社を経営していく上でも重要な取り組みといえます。
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