顧客や社内からの問い合わせ対応は、顧客満足度の向上や業務効率化に直結する重要な要素です。しかし、多くの企業が「対応に時間がかかる」「問い合わせ件数が多く、対応が追いつかない」など、問い合わせ対応に課題を抱えています。今回は、問い合わせ対応の効率化に焦点を当て、具体的な課題と解決策について紹介します。
今回のお悩み
問い合わせ対応を効率化したいが、具体的にどのような対策を取ればよいのかがわからない。また、社内からの問い合わせも多く、担当者の通常業務に支障をきたしているため、負担を減らしたい。
私が解説します!
問い合わせ対応は企業にとって欠かせない業務ですが、現在の対応に課題を感じている企業も多いのではないでしょうか。迅速かつ正確さが求められる問い合わせ対応について、課題を把握し、効果的な改善策に取り組みましょう。
目次
( 1 ) 問い合わせ対応の種類とは
問い合わせ対応とは、企業や組織に対して寄せられる質問や要望、クレームなどに適切に対応することを指します。問い合わせには、大きく分けて「社外からの問い合わせ」と「社内からの問い合わせ」の2種類があります。それぞれに担当する部署や内容が異なるため、まずはその特徴を理解しましょう。
社外からの問い合わせ
顧客や取引先から寄せられる問い合わせのことで、具体的な例として以下が挙げられます。
- 注文内容や納期の照会
- 見積書や請求書に関する連絡
- 購入した商品に不具合があるなどの苦情や不満
- 商品やサービスへの質問、新規申し込み など
顧客からの問い合わせは、営業やカスタマーセンターなどが窓口となることが多く、コールセンターを設置している企業もあり、イメージや信頼に大きく影響します。また、取引先からの問い合わせの多くは担当宛ですが、オフィスの電話に直接かかることも少なくありません。
社内からの問い合わせ
自社の従業員から人事・経理・情報システムといった専門部署に対して寄せられる問い合わせのことで、具体的な内容は以下の通りです。
- 社内システムの操作方法やトラブルに関する質問
- 業務内容に関する質問や対応依頼
- 勤怠や休暇に関する質問や申請
- 経費の精算方法に関する質問
- 社外問い合わせに対する連絡や対応依頼 など
社内からの問い合わせの多くは業務に関連するので、対応が滞ると業務の遅れやミスにつながる可能性があります。
( 2 ) 問い合わせ対応の重要性
問い合わせには簡単な質問や不具合の報告、苦情など多岐にわたります。特に社外からの問い合わせ対応は、会社の価値を高めるうえで重要です。適切な対応を行うことで以下のようなことが期待できます。
●顧客満足度の向上につながる
素早い対応や明確な説明を行うことで、顧客から信頼を得ることができます。顧客の要望に応え、不満を解消できれば顧客満足度の向上も期待できます。
●会社のイメージアップにつながる
問い合わせ対応の質によって、競合他社との差別化を図ることができます。安心して頼れる会社であると認識されることでイメージアップにもつながります。
●顧客の新たな獲得につながる
問い合わせ内容を検証することで、顧客の新たなニーズを知ることも可能です。会社の弱みを解消し、強みをさらに強化できれば新規顧客の獲得にもつながります。
( 3 ) 問い合わせ対応の課題
問い合わせ対応を効率化するには、まず現状や課題の把握が重要です。以下のようなことが起きていないか注意しましょう。
●人員不足などにより問い合わせに迅速に着手できない
問い合わせの件数が多くなると限られた人員では対処できず、電話がつながりにくくなります。クレームやトラブルなどは迅速な対応が必要なため、対応が遅れると顧客に不信感を持たれるリスクがあります。また、従業員の負担増加によって作業効率が下がる場合もあります。
●社内確認などで問い合わせ対応に時間がかかる
近年、問い合わせ内容が多様化したことで、電話を受けた従業員だけでは対応できない場合や、他部署への確認が必要なケースも多くみられます。解決までに時間がかかると、「対応が悪い」「すぐに解決してくれない」など顧客満足度が低下する可能性が高まります。
●対応内容にばらつきが生じる
同じ問い合わせでも担当者の経験やスキルによって、対応の内容や質に差が出てしまう場合があります。対応のばらつきは顧客の不満や不信感につながり、リピート率の低下を招くとともに、企業イメージやブランド力を損なうことにもなりかねません。
( 4 ) 問い合わせ対応を効率化する方法7選
ここでは、問い合わせ対応を効率化するための具体的な7つの対策を紹介します。
●問い合わせ内容を分析する
過去の問い合わせ内容を分析・カテゴライズすることで、どのような対策が必要かを把握することができます。また、分析結果から顧客の要望を抽出し、業務改善や新サービスの提供に役立てることも可能です。
●問い合わせを一元管理する
ツールを活用して、問い合わせの内容や対応状況を一元管理しておくことも重要です。対応の指示や進捗状況を可視化することで、担当者以外もフォローすることができ、顧客からの信頼度もアップします。
●社内マニュアルやテンプレートを整備する
頻出する問い合わせに対して回答や対応手順をマニュアル化することで、対応の均一化が図れます。担当者による対応内容のばらつきがなくなり、正確で迅速な対応につなげることができます。
●AIシステムを活用する
チャットポットなどのAIによる自動応答システムを導入することで、担当者の負担を軽減することができます。営業時間外でも問い合わせ対応が可能となり、顧客満足度の向上と機会損失の防止につながります。
●FAQページを設置・改善する
よくある問い合わせと回答を「よくある質問(FAQ)」としてまとめることで、問い合わせをする前に自己解決でき、問い合わせの件数を減らすことができます。FAQは定期的に見直しを行い、最適化することも必要です。
●外部ツールを活用する
問い合わせ管理システムやIVR(自動音声応答システム)といったツールの活用も効果的です。電話の一次対応にIVRを導入することで、自動応答を介して該当部門へつなげることができ、効率化が図れます。
●業務の一部をアウトソースする
問い合わせ対応に充てる人員不足が発生している場合は、コールセンターやサポートデスクなどをアウトソースする方法もあります。問い合わせ対応に費やしていたリソースを本来の業務に集中させることができます。
( 5 ) 問い合わせ対応を効率化した事例3選
近年、さまざまな業界でAI技術や最新システムを活用した問い合わせ対応の効率化が進んでいます。ここでは、具体的な企業の取り組み事例を紹介します。
【事例01】社内電話をスマートフォンと連携
スポーツ関連事業を運営する企業では、外出時の問い合わせ対応の遅延が課題でした。対策として社内電話とスマートフォンを連携できるシステムを導入。外出中でもオフィスの着信をスマートフォンで受けることが可能になり、問い合わせ対応が大幅に効率化しました。
【事例02】問い合わせ対応の自動化で業務効率を改善
ECサイトを運営する企業では、繁忙期のオペレーターの負担増加が課題でした。IVR(自動音声応答システム)を導入し、問い合わせの多い配送状況確認をIVRに集約。顧客はガイダンスに従って操作することで配送状況の確認ができ、オペレーターの業務量と運営コストを削減できました。
【事例03】チャットボットの導入で社内の問い合わせを軽減
大手繊維メーカーでは、社内業務の情報を各部署で構築したイントラサイトに掲載していましたが、情報が分散しておりバックオフィスへの問い合わせが多数寄せられていました。チャットボットを導入し、FAQを自動配信することにより、問い合わせ件数を大幅に削減できました。
スムーズな問い合わせ対応を実現するビジネスホン
問い合わせ対応に効果的なツールとして、サクサの多機能ビジネスホン「PLATIAⅢ」をご紹介します。問い合わせ対応に活用できる充実した機能を搭載しています。
- スマートフォンを内線電話として使用
- IPネットワーク接続で他拠点へ内線転送
- 複数拠点の着信を1か所に集約
- クラウドサービスによる音声ガイダンス生成
- IVR機能による着信先の自動振り分け
- IP電話によるコストダウン
「PLATIAⅢ」は、スマートフォンとの連携によって外出先でもオフィスの電話と同じ感覚で利用できます。最大5拠点をIPネットワークで接続し、外線を保留にした状態で他拠点への内線転送や、他拠点から本社の番号での発信も可能です。さらに、オペレーターを介さず電話の振り分けが可能なIVR(自動音声応答システム)機能や、時間外や年末年始などの案内を自由に音声合成してガイダンスを生成できる機能も備えています。
( 6 ) まとめ
社内外を問わず、問い合わせ対応は顧客の満足度向上や信頼関係の構築に大きく寄与します。問い合わせ対応を効率化することによって、対応の精度を高めるだけでなく、業務効率化、コスト削減など、多くのメリットが得られます。
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