スマートフォンの普及やテレワークが浸透した現在、利便性やコスト面から「固定電話は必要ないのでは?」と考える人や、実際に固定電話を廃止する会社も増えています。固定電話は本当に必要ないのでしょうか。今回は、会社における固定電話の必要性や導入の注意点、固定電話の種類や選び方を解説します。固定電話の有効な活用方法について、再確認してみましょう。
今回のお悩み
最近、取引先のやり取りやお客さまからの問い合わせに電話を使う頻度が減ってきたが、固定電話は必要なのだろうか。固定電話が必要な理由や自社に合った選び方などが知りたい。
私が解説します!
会社が固定電話を設置することで得られるメリットはさまざまです。電話の頻度が減ったからといって、安易に撤去すると思わぬ事態が発生する可能性もあります。今回は企業や組織に固定電話が必要な理由や、固定電話の種類、選び方なども紹介します。
目次
( 1 ) 会社に固定電話が必要な理由5選
コロナ禍以降、テレワークの普及によってオフィスに出社することが少なくなり、メールやチャットなどのやり取りが増加したことで、固定電話を使用しない会社が増えています。しかし、固定電話は単に通話するだけのものではありません。会社に固定電話が必要とされる理由には以下の5つが挙げられます。
●社会的信用が高まる
固定電話番号や代表電話は、会社が実在し、事務所に従業員が常駐していることの証明となります。取引先や顧客からの社会的信用が得られやすくなり、円滑に事業を進めることができます。
●登記や口座開設などの事務手続きが楽になる
法人登記や銀行の口座開設などの手続きには、電話番号の登録が必要です。番号の変更には書類提出など煩雑な手続きが伴うため、変更する可能性の低い固定電話番号の使用が適しています。
●業務効率化が図れる
会社で使用する固定電話は「ビジネスホン」と呼ばれ、家庭用の電話機とは異なるさまざまな機能を備えています。外線と内線の使い分けや複数の受発信、転送や録音など、電話業務の効率化に有効です。
●仕事とプライベートの切り替えができる
携帯電話を仕事で使用すると、時間や休日に関わらず電話がかかってくる場合があります。固定電話であれば、休日や時間外に対応する必要はなく、仕事とプライベートの線引きが容易になります。
●FAXを利用できる
固定電話は簡単な手続きでFAXの利用ができます。現在、FAXの使用は減ってきているものの、まだ多くの会社や店舗などで使われているため、安価にFAXを利用できることも固定電話のメリットです。
( 2 ) 会社に固定電話を導入する際の3つの注意点
固定電話を会社に導入する際には、いくつか注意点があります。
●初期費用や維持するためのコストが必要となる
固定電話は導入時に主装置、電話機本体、工事費などのコストがかかります。主装置は多機能である反面、新規購入すると高額になります。電話機は使用する従業員分を用意しなければなりません。また、運用コストとして通話料やメンテナンス費用なども必要です。
●使用できる場所が限られる
固定電話は電話機のある場所でしか使用できないため、外出中やリモートワーク中に会社にかかってきた電話には出られません。社内であっても、近くに電話機がない場合には移動して電話に出るという手間がかかります。
●設置に時間がかかる
固定電話導入時には機器の設置工事や配線工事などを行うため、業者の手配から使用可能な状態になるまで一定の期間が必要です。またオフィスのレイアウト変更を伴う場合には、従業員にも負担がかかります。
( 3 ) 会社に固定電話を導入するステップ
会社に固定電話を導入する際の基本的な流れを紹介します。固定電話には種類があるので、導入する回線によって異なる場合があります。
①問い合わせ
サービスを提供する会社にプランや料金などを問い合わせ、見積もりを取得します。長期の利用を前提とし、会社の規模や従業員数予算などを考慮しましょう。
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②サービスの選択
複数の見積もりを比較検討して、自社に最適なサービスを選択します。また、使用する電話番号も決めましょう。電話会社が番号の候補を提案してくれるので、その中から選ぶことができます。
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③機器の準備
固定電話に必要な主装置や電話機本体などの機器を手配します。メーカーによって機能が異なるため、利用目的に合った機能が搭載された機器を選びましょう。
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④工事
電話回線を引く配線工事、主装置の設置、各電話機の接続や設定などの電話工事を行います。長くても1日程度で完了します。立ち会いが必要な場合もあります。
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⑤利用開始
工事完了後に、各機器の動作と通信状態などを確認し、利用開始となります。
( 4 ) 会社向け固定電話の種類や選び方
ここでは会社向け固定電話の種類と選び方を解説します。固定電話に使用できる回線は複数あり、それぞれに特徴や機能などが異なります。それらを踏まえ、自社に最適なものを検討しましょう。
会社向け固定電話の種類
おもな回線の種類を一覧で紹介します。
アナログ回線 | アナログ回線で通信する電話回線のことを指し、ダイヤル回線とプッシュ回線の2種類がある。古くから家庭で使われている一般的な電話回線を指し、停電時などでも使用が可能。 |
デジタル回線 | ISDN回線とも呼ばれ、デジタル信号で通話する回線の総称。1つの番号で2回線分の通信が可能で、電話とFAXの両方を利用できる。アナログ回線よりもノイズが少なく音質が安定している。 |
光回線 | 光ファイバーを利用して通信を行うインターネット回線のことを指す。データの通信速度が速く、音声通話の音質に優れているが、停電時には使用ができない。通話料金は比較的安価。 |
IP回線 | インターネットブロードバンド回線を利用して通信する。音声通話に加え、ビデオ通話も可能。通話距離に関わらず全国一律の通話料で利用できる。ただし110・119などの特番へは通話不可。 |
クラウドPBX | クラウド上にPBX(電話交換機)を設置し、インターネットを通じて電話機能を利用するサービス。社内に物理的な機器を設置する必要がなく、初期導入コストを削減できる。 |
会社向け固定電話の選び方
会社向け固定電話を選ぶ際には、以下の条件を検討したうえで、最適なものを選びましょう。
- 自社の規模や使用人数
- 電話の利用頻度
- インターネットなどの環境
- リモートワーク導入の有無
- 災害時の利用 など
例えば、インターネット環境が整備されており、電話の頻度が高い場合は光回線が適しています。また、リモートワーク率が高く、社外で業務を行う従業員が多い場合は、クラウドPBXの利用が有効です。
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( 5 ) まとめ
今回は会社における固定電話の必要性について、固定電話の種類や選び方などを解説してきました。固定電話を設置することで取引先や顧客の信頼を得られ、さまざまな機能を使いこなすことで業務効率化を図ることができます。スマートフォンが普及したとはいえ、固定電話の果たす役割は大きいと言えるでしょう。
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